妻の骨壷を家に置いている主人公。妻は死んだ。はずなのに、彼女が帰宅する。そして一緒に食卓を囲む…目の前の妻は本人なのか、あるいは幻覚なのか…それとも骨壷の中身が別人の骨なのか…現実と幻が入り混じる、不思議で不穏なお話です。
火葬から帰ってきた主人公。若き妻の姿が台所に‥‥果たしてそれは本当に妻だったのか。ワンシーンが次々と頭に浮かび上がる秀逸な描写の中、最終的に『ソレ』はなんだったのかもしくは……私の中ではホラーですねこの小説で、読者は何をみるのでしょうか。
それは現実か、哀しい夢想だったのか。そんな疑問ももはや頭に浮かぶことなく、彼は、妻のつくった肉じゃがを口にはこびながらテレビを聞く。凄絶な哀しみを白い布に覆い隠した、そんな心境をまざまざと実体験させてくれる怪作です。
最愛の妻を失ったある男が、骨壷を前に喪に伏している。そこへ、まるで当たり前のように妻が帰ってきて、普段通りのなんでもない日常を一緒に過ごす。淡々とした筆致で描写は進み、構成としてはシンプルなのですが、読み終えられた後、レビューコメントや応援コメントもぜひ覗いてみてください。あなたの解釈に、この物語の結末は委ねられています。
読んでいて最初は悲劇的な物語に感じていたのみ、下へ下へと読み進める内に現実に妄想が入り込んでくる怖さが増していきます。サイコロジカルホラーを読みたい方は是非読んでみてください。
妻が逝った。小さな壺の中で、卓袱台にのっている。悲しみに沈み空腹も感じない夫のもとに、玄関から音が転がってきた──。ああ……この感情はなんでしょう。切なさとも安らぎともつかない、むしろそのどちらもが一緒になったような心地です。主人公(夫)は冷静さを欠いていたのか、むしろこの上なく冷静だったのか……。なにか夢のようにぼんやりとして どこか重たい感じもありながら、希望を感じるような、小さな光も見えるようで、読後もしばらく心をつかまれる物語です。ぜひ読んでみてくださいませ。
淡々と描写されながらも引き込まれ読んでしまいます。この後どうなるのかな、と思わせてからのラストの一文。そして残される余韻。物悲しさか寂しさか。幻想と現実。夢なのかただの日常の延長か。様々な思いが感じられる素敵な作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(767文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(153文字)
骨壺を前にして、茫然自失の主人公。そこへ妻が帰ってくる。いつものようにスーパーのビニール袋を提げて。いつもの会話。いつもの食卓。夫婦でちゃぶ台を挟んで座る。怖くて愛しいホラー掌編。読み終えたとき、胸の内側に何とも言えない切なさが滲んでいました。
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