六散人

この作品って、ホラーなんですけど大爆笑。
いやあ、タイトル通り悪気はないんだから勘弁してよというのが切実に分かります。
そしてラストが。

本作は幽霊談でも怪異談でもありません。
所謂ヒトコワでもありません。
ただ事実だけが語られています。
そこから想像を巡らせて、恐怖を感じるかどうかは、あなた次第です。

高所恐怖症の私はのっけからビビりつつ読みましたが、まあ期待をはるかに上回る理不尽さで迫ってきます。 最終話の途中の描写は、B級ホラー映画の傑作＜鉄男＞を彷彿とさせるものがありました…続きを読む

淡々と語られる日常。
その中で出会った＜人＞との思い出。
それが結末で崩壊する。
これは紛れもなくホラーだ。

遺影を用意できない程、惨たらしい死を迎えた人々のために描かれる似顔絵ー『遺顔絵』。 そこに描かれるのは、死者の真実の魂の叫び。 霊と交信してその叫びを聞くことが出来る主人公だからこ…続きを読む

作者様特有の情緒あふれる語りの背後に、精緻に組み上げられた物語の構成。 妖異談としてだけでなく、文芸作品としても完成度の高い作品に、読後、大きな納得感と満足感が得られました。 ご一…続きを読む

途中から、ああこうなるだろうと思っていたのに、それ以上の展開が待っていました。 そして淡々描かれた日常に中に拡がる、果てしない不条理感。 これをどう消化すればいいんだろう。 作者の…続きを読む

「魁魔」という妖魔と戦う部隊に、紅一点で入隊した主人公。 動機は大好きな上官に近づきたいため。 しかし彼女には、秘密が。 様々な要素を含んで物語が展開されていきますが、これは女心を…続きを読む

二人称小説。 多分数が少ないので、初めて読みました。 作品の紹介文にあるように、俯瞰的に物語として見ることも出来ます。 しかし私は作者の意図に嵌って、主観的に見てご自身が主人公とし…続きを読む

怖さもあるが、それよりも作品全体を通して、読む者に訴えかけてくる情景の鮮烈さが際立っています。 そしてその情景の中で綴られる、誰もが持っているかも知れない、幼少期の非日常的な出来事…続きを読む

米国赴任中の若い日本人夫婦。
ハロウィンの夜に彼らを襲う悪夢の正体は？
そして読者は最後に、真の悪夢の意味を知ることになる。

これはホラーです。
間違いなくホラーです。
そんじょそこらの怪談話より、よっぽど恐ろしい！
是非読んで下さい。

まあ、そういうことありそうだよね、と思わせる展開。
作者得意の癖強系ホラー。
読めば抱腹絶倒間違いなしです。

「じけんよ～！じけんよ～！」 いずみかわ幼稚園すみれ組に、アユちゃんの声が響く時、日々まき起こる難事件解決のために立ち上がる、クリスちゃんの活躍に刮目せよ。 園児たちや先生たちの…続きを読む

読み終わった途端背筋がゾッと縮む思いです。
暑い時期にピッタリの怪談。
こわっ

飼い猫の銀ちゃんは、作者の「若葉台の猫」にも登場する由緒正しい猫ちゃんです。 主人公の探偵が巻き込まれる事件を、猫目線で描いているところが斬新。 ヒトコワホラー要素もあり、読みごた…続きを読む

只の怪談と思いきや、読み進むうちにその人の死生観に突き刺さるような展開に身を震わせる、秀逸な文芸作品。
作者の技巧が光る、問題作と言えるのではないか。

作者の技量が、作品ごとに凄みを増すことを感じさせる作品。
樹木魚という、聞きなれぬ言葉に込められた人々の業を、見事に描き切ったと言える快作です。

本作の作者は、個人的な印象に過ぎないかも知れませんが、言葉遣い、言い回し、そして漢字表現に特にこだわりを持った、独特の作風で様々な作品を描いてこられました。 本作では一転、平易な語…続きを読む

代々実家に伝わる葬送の儀式。
それを取り行う物語の主人公は、何を見たのか？
情景の精密な描写と、物語の急速な展開が、驚愕の結末へと読む者を一気に導くでしょう。

物語は序盤ですが、そろそろいいかと思い、レビューコメント書かせて頂きます。 麒麟に四神に王に王女、あらゆる要素が詰まった中華ファンタジーの秀作。 ストーリー展開も、読者をワクワクさ…続きを読む

砂漠で出会った男女。 それぞれが秘めた事情が、物語の進展とともに明らかになっていく。 巧みなストーリー展開によって紡がれた物語が、やがて爽やかな読後感へとつながる秀作です。 ご一読…続きを読む

淡々とした語り口で展開される物語の結末で、読者は人が心に抱く闇を垣間見る。 それは主人公にだけ、起こりえることなのだろうか。 この物語が、何故ホラーとカテゴライズされているのか、読…続きを読む

作者の代表作『ギリシア物語』の結末から、更に広がり派生してゆく、ギリシア世界の国々とそこに生きる人々の物語。 その先に待ち受けるのは、新たな希望なのか？ そんなことを想像させる、名…続きを読む

今更私がコメントするまでもないかも知れませんが、カクヨム界をどよめかせた、傑作ホラー。 タイトルのS岳をめぐる、様々な謎を、パズルのピースを組み合わせていくように解明していく、ミス…続きを読む