概要
その男を頼るのは、生者のみにあらず――《鏡》を通じて何を見る
江戸を模して造られた大宮(おおみや)で、人が干乾びた状態で発見される事件が続いていた。
大宮の治安を守る戍狩の早瀬(はやせ)は、戍狩見習の葵ノ進と共に捜査をしていたが手掛かりが見付からず難航。そんな中、新たに見つかった遺体が平福屋の倅の平汰だと判明。それを元に平福屋へ出向くが、女将の態度を見た葵ノ進は、女将が怪しいと疑い始める。
しかし早瀬は葵ノ進とはまるで違う可能性を思い浮かべていた。それを確かめる為に単身向かったのは、惺流塞と呼ばれる自称妖の絵師の元。もしやこれは妖の仕業なのではないのかと聞きに行くと、あっさりと否定されて返される。
後日、更に聞き込みを続ける早瀬が、平汰が通い詰めていたと言う娘に会いに行くと言い残して姿を消してしまい――
日常にふと紛れ込む不可思議な現
大宮の治安を守る戍狩の早瀬(はやせ)は、戍狩見習の葵ノ進と共に捜査をしていたが手掛かりが見付からず難航。そんな中、新たに見つかった遺体が平福屋の倅の平汰だと判明。それを元に平福屋へ出向くが、女将の態度を見た葵ノ進は、女将が怪しいと疑い始める。
しかし早瀬は葵ノ進とはまるで違う可能性を思い浮かべていた。それを確かめる為に単身向かったのは、惺流塞と呼ばれる自称妖の絵師の元。もしやこれは妖の仕業なのではないのかと聞きに行くと、あっさりと否定されて返される。
後日、更に聞き込みを続ける早瀬が、平汰が通い詰めていたと言う娘に会いに行くと言い残して姿を消してしまい――
日常にふと紛れ込む不可思議な現
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!弱く果敢なきは人の情 されど 強きも人の情…故に《鏡》は奔る
北の江戸《大宮》では不可解な事件が起こっていた。
相次いで発見される干乾びた遺体。争った形跡はなく、衣服も綺麗なままで遺体だけが何ヶ月も放置されたような無残な状態で発見される。この謎を解明すべく、大宮の町を役人《戍狩》が参る。
謎が謎を呼ぶ 緊迫の推理ものでありながら、人知の及ばぬものの影が暗躍する架空時代劇奇譚となっております。
真髄にあるのは人の情。理解者のいない孤独、他者に認めてもらえないことにたいする悲嘆や焦燥。そうした憂いは段々と積み重なるごとに不満となり、不満は憎悪や欲望に変わる。
孤独に差す《魔》……誰にも頼れず、孤立無援ではみずからの影ほど強大で恐ろしいものはありません。人…続きを読む