概要
大正時代、その闇は港町の山沿いにうずくまる黒い洋館から始まった。
あれは、私が大学一年生だった頃、神戸に住む祖父の家を訪れた時のことだ。
ほんの些細なことから祖父が語ってくれた、あの人が私と同じくらい若かった、大正の時代の話。
虚実も定かならぬその昔語り――土地の深みに刻まれた、あまりに暗く、あり得ざるその内容。
いま一度その内容を思い起こすため、記憶をたどり、祖父の語った物語をここに再現する。
杉村修様主催の企画『地域クトゥルフ神話・郷土クトゥルフ神話(2026年)』参加作品。
ほんの些細なことから祖父が語ってくれた、あの人が私と同じくらい若かった、大正の時代の話。
虚実も定かならぬその昔語り――土地の深みに刻まれた、あまりに暗く、あり得ざるその内容。
いま一度その内容を思い起こすため、記憶をたどり、祖父の語った物語をここに再現する。
杉村修様主催の企画『地域クトゥルフ神話・郷土クトゥルフ神話(2026年)』参加作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!魅力と魔力に満ちた、神戸×大正×クトゥルフ!
主人公は、大学生の頃、祖父に聞かされた奇怪な体験談を思い起こす。
それは、若かりし日の祖父が巻きこまれた、人智を超えたある事件にまつわるものだった――。
大正時代の神戸を主な舞台とした、和製クトゥルフ神話。
モダンな戦前の神戸の雰囲気とクトゥルフの悍ましさが見事に融和しており、方言もいい味を出しています。
そして、主人公がいまになって祖父の語った話を思い起こしている理由とは――。
恐れおののきつつも魅入られたように読み進めてしまう、魅力と魔力に満ちた暗黒譚です。
読者をさらなる深みへと引きずりこむような「附録」にも、お忘れなく目を通してください。 - ★★★ Excellent!!!漆黑きもの。天地開闢と共に、脈々と流れ。
祖父から語られた恐るべき回顧譚。
それは、まだ祖父が大学生になったばかりの
ハイカラな港町神戸で体験した、世にも
恐ろしい譚だった。
蘆屋の流れを継ぐ若き祖父の許に学友から
と或る依頼が舞い込んでくる。実家の蔵に
眠っている古い文書を是非とも見たいと願う
米国人商人がいるというのだ。日本の様々な
記録や伝承に興味があるという話だった。
多少、胡散臭いとは思いつつも、古文書を
携えて港町の異人館へと向かったのだが…。
本作品は《ご当地》《クトゥルフ》という
キーワードの自主企画への参加作品である。
作者の既出【天は玄く、而して地は黄】と
同様に、この作品には壮大な歴史の流れと
今ある…続きを読む