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吐き出した歯車。社会の歯車としての自分と、個人としての自分が上手く噛み合っていない不具合を抱えたまま長く生きて綻びが出た結果みたいで、自分と照らし合わせて苦笑いしたくなる、虚無を感じるけど面白い物語でした。夫は従順に歯車であることを受け入れて同化したのか、それとも自分の過剰な負荷も気にならないほど仕事が好きだった可能性もあるのかな。ドライな奥方と合わせて色々考察を楽しめるお話です。
労働力不足が取り沙汰されるようになって久しい昨今。事務系の仕事に関しては、やがて大半をAIが取って代わるとも言われていますが、この問題を解決してくれるのは歯車です!やはり必要なのは、自分を犠牲にしてでも社会の歯車となって働く昭和気質な夫ですね。そんなことを感じさせてくれる作品でした。
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突然、配偶者が歯車を吐き出したらどうなるだろうか?前提条件として、それらに〝違和感を覚えない世界〟である事。今作は外れる前の歯車のように噛み合って、読者がそれを覗いた瞬間にバチンと崩れる不気味で悲哀溢れる話に仕上がっている。労働とは何か。文字通り命を賭して働かねばならぬものか。歯車を吐いて、吐いて、吐いて。本作は極上のブラック・ジョークとなっている。是非とも。