本作はスピンオフであり、一読で意味が通じないことは原作漫画を読まないで劇場用アニメを観たときにも近しいものがあります。
ただ、ただただ、世にも恐ろしい話があどけない少女の口から語られる、その構図の恐ろしさたるや。これはこの世のものでないと少女は気づけていたのか。心は、魂は、呑まれてはいないか。それが不憫に思われて。
あまりに大きな仕掛けの中核に生まれ落ちた娘は、次第に彼岸と此岸を同時に見るようになり……
これは長く怪しげな物語の支流の一つであると同時に、闇の底に生まれて正気と狂気の淵を歩む一人の女性の物語でも在ります。