村乃枯草

作家としてお考えください。暗殺者キャラを魅力的に造形するとしたら、どこに力を入れますか。 本作は作者自身が漫画原作を意識したとおっしゃいます。その理由は。 圧倒的な映像美。心理…続きを読む

骨は無骨なもの（下手な駄洒落を失礼）。味気ないカルシウムの固まり。 骨に花が咲くのなら、肥やしは生前にまとった肉でしょうか。いいえ。人の骨なら、獣にあらぬ人のみが持つものでしょう…続きを読む

本作を読み進めていくと物語として起伏がないことに気づきます。カクヨムでは「いいね」の数と賞レースでスタートラインに立てもしない構成でも、実験作を数多く送り出してきた作者様にとっては…続きを読む

勇者と魔王、今ではネット小説で大きな作品数シェアを占める設定が、今（このレビューを書いている日）から約39年前に発売された画期的コンピューターゲームにより日本の娯楽業界に持ち込まれ…続きを読む

長らく交遊している人が意外と器用なところを見ると、何故？　と尋ねるものです。 まあ、過去に何かあったのでしょうね。 人の経歴を示す証拠も、意外と見えないものです。 ええ。見え…続きを読む

深くは語りません。

「骨の髄まで愛す」　この言葉の意味を知ってください。

常軌を逸していますが。

この小説の要点は一言に集約されます。 人間の美醜で最も重要なパーツを亡失した異性と付き合えますか？ 男性読者は難問を突きつけられます。本サイトはマンガやアニメと親和性が高いこと…続きを読む

本論考は「物語分解図」と題されていますが、まことに勝手ながら評者は本論考を物語について語ったとは見ていません。 カクヨムに投稿される作品群が等しく自身の土台にするもの、文字という…続きを読む

解説を読むより、本文を読む方が早いです。速いです。 曲のアルバムを聴いて、ライブに行って、ヘドバンして、それから！！ 走り出したら止まりません。This is 衝動！　ロックは…続きを読む

語られるのは御伽噺。夢と見紛う薔薇色の結末。ならば、そこに至る過程も美しいはず…… ご覧になればよいのです。美しい薔薇が、花弁に糧を送る枝に棘を生やして他人の手を阻まねばならなか…続きを読む

自他共に認めるオタク男性が意を決して女性と交際。そうしたら捨てられたので落ち込んでいると…… サキュバスの下僕になってどうするの？　いや、良識を振りかざす人が眉をひそめても、これ…続きを読む

物語は現代日本（ただし架空）での犯罪捜査から始まるため極めて現実的なのですが、冷静に論理的に説明される事件現場の状況に、県警の捜査担当一同は頭の中が？？？と疑問符で一杯に。読者も頭…続きを読む

巨大ロボの物語は数多くありますが、こちらは和風。刀（当然に巨大ロボに相応しい大きさ）を持ちますし、武家出身の操縦者が持つ礼節により火薬などは御法度。すると、どうなるか？ やってる…続きを読む

評者は、ラノベを執筆するのと並行で詩を書いていて、ラノベのワナビ仲間は同じ男性が多いものの、詩の繋がりでは女性の知り合いの方が多くて、まるでコウモリのような立場にいます。そのような…続きを読む

島原の乱から落ち延びた者が異世界に転移、と聞くと生き残れないと思いきや、さにあらず。 まだ日本に開国以前の文化が日常にあった頃、超常的かつ超人的英雄と悪漢の物語は和の装いで設定が…続きを読む

よく、人面魚、とかありますよね。あれは、人間の視覚で模様から「顔」などの概念を導く機能がある程度の曖昧さを必要とする（でないと、ある他人の顔が人間の顔に見えないときがありますよね？…続きを読む

人間が猫を拾う、すると、人間は猫を捨てられますが、猫は人間にすがるしかなく、人間が圧倒的な強者です。 本作の主人公は願ってもない境遇を得ます。それは夢物語のよう。そして選ぶ権利ま…続きを読む

本文を読み始めると語り口が端正です。品がありつつも弱々しいところがなく硬質で、「この語りをずっと聞いていたいなぁ……」と思えてきます。 そうして読んでいくと、その文意が惚気とは！…続きを読む

ボルダリングは少し奇妙なところがあるスポーツです。壁を上まで登ればいいことは決まっていますが、途中の経路が指定されていません。というより足を掛けたり掴んだりする器具「ホールド」を選…続きを読む

評者は詩を書きます。下手ですけど。 詩を書くとき、同じ単語でも読者の裏をかいてやろうと思うこともあります。ダジャレや掛詞、漢字を仮名に開く（普段の言葉遣い、例えばスマホのかな漢字…続きを読む

男性はよほど達観するか卑下していない限り夢見ます、美しく聡明で技量と慎ましさを備えた女性との生活を。 現実には無理です。同性でも似た人が繋がり共通点が無い人が離れるように、異性間…続きを読む

人には何が起きるか分かりません。 小さなインコを飼い始めた。ただそれだけ。家族という池に小石を一つ落とした、それだけだと思ったら、さざ波は大きく広がり、周囲の澱を流し、池は見違え…続きを読む

誰を挙げても、人格の全体像はなかなか見えません。 漫画やアニメや、ここカクヨムのように小説とか、神の視点が難なく得られる物語なら理解は簡単です。しかし人間同士で自分の視点だけに限…続きを読む

読み始めると、あれ？　あれ？？　あれ？？？ 信じられないことが起きると、頬を指でつねるという手垢がついた表現があります。斬新な本作に陳腐な描写は出てきません。しかし展開を見れば、…続きを読む

やり残したことがある人は、むしろ容易には動けません。過去という足輪から繋がる鎖の先に鉄球がついています。 しかし鎖を切ったら動きが速いのです。 そして現代日本とは違い、手は戦斧…続きを読む

アバターを自由にデザインできる VRMMO に没入して、エロい肢体をさらけ出す。それは数多くある話です。 本作が意外なのは、裏返っているんですよ。よ～く読むと、小さくとも決定的な…続きを読む

刺激的な言葉　－多くの場合には蔑称－　でレビューを始めますが、本作の場合には褒め言葉です。 魏志倭人伝（偶然に冒頭の読みが同じ）に始まり、古事記とその周辺から題材を採りつつ、大胆…続きを読む

評者は、本作の作者である清水らくは様を作家と思っておりましたが、Xにて現代詩の同人誌の一つにお名前があることを知り、詩の界隈にいらっしゃる人と知りました。 そのことを踏まえ、レビ…続きを読む

題名に記したとおりのバランスです。でも人は一粒の方を強く記憶して生きます。以上です。あとはご自身の眼で。

ホラーは人を怯え震え上がらせるもの。しかし本作から感じるのは、熱量。 語られる怪異は恐ろしいです。しかし怪異に匹敵するくらいに人の想いが熱いのです。 金融機関のエリートで遣り手…続きを読む

短編創作フェスのお題は「つま先」。挑む作家はそろって裏をかくことを考えます。 お題の裏をかく方法の一つが掛詞。言葉一つのみが制約であり、注釈を付けたり、後から「それは違う」と運営…続きを読む

物語は戦時中。人命を落とすことを前提とした究極の人権侵害である戦争において、生きながらに体験する地獄が如何に恐ろしく寒々しいか、物語は克明に語ります。 そこに雪女郎の物語が混ざり…続きを読む

まず作品世界を知るための前提知識として、「箱庭療法」は現実の精神科で行われる療法であり世界中で活用されていることを記します。その目的についてネット上の資料から引用します。 箱庭療…続きを読む

最近、亡くなった後に転生する物語は定番となりました。その中には動物に転生するという作品も多くあります。異世界ではなく現実世界で転生して元の家族と再会する作品も多くあります。 しか…続きを読む

この話は、始めは事故だと言われました。登場人物は否応なしに見知らぬ世界に飛ばされます。 右も左も分からない世界で、驚くべきは世界より登場人物の方。へこたれることなく積極的に活動し…続きを読む

短い短編、と記すと同義語反復に陥りますが、その通りなのでサクッと読めます。そして、すぐさまニヤニヤしてきます。 現実って、上手くいかないよね。それは、仏教で言う諦観をもって受け止…続きを読む

最初は、ダイエットの話だと紹介されました。作中の人物にも、読者にも。 しかし本作はホラーです。次第に変質します。 露わになるのは各人の身体ではなく心の内。 人の心は重いです。…続きを読む

レビューで一般文芸作品のテキストを記すことは著作権法の「引用」を踏み越えるかもしれず、カクヨム運営様よりペナルティを受ける可能性もあります。しかし、どうしても比較したい作品があり、…続きを読む

念を押します。これはフィクションです。現実ではありません。そのはずです…… > 治験とは >（中略） > ｢薬の候補｣を健康な成人や患者に使用して、効果や安全性、治療法（適正な投…続きを読む

作者様は女性の語りの艶っぽさに定評がありますが、本作ではそちらは封印して、奇譚を連ねます。 文体はドライ。ホラーは語り口も怖さのうちですが、本作はむしろ小説界の平均よりも登場人物…続きを読む

本作は現代日本を舞台にした話ですが…… 小説投稿サイトには、異世界転生したらパラメータが観えるようになったとか、スキルをもらったとか、さらに他人のスキルを観る鑑定士のスキルを獲得…続きを読む

冒頭の数行を読むだけで、作者が手練れと分かります。第一話を読み終え、物語の出発点を知ったときに、読者として既に降参していました。 情景を語る口調はコミカルです。少年と少女の、心の…続きを読む

異世界転生というと、剣と魔法のファンタジー世界の方に行ってからが人生本番という趣が強いです。 でも、転生した主人公は生き抜くどころか世界の人を救うだけのチートを授かっているからい…続きを読む

本作は小説として未完です。誤解を怖れずに記せば、そう言えます。 ホラー小説は恐ろしいですが、恐怖を最大限にかき立てるために因果関係をつまびらかにします。これなら怖いよ、そう言わせ…続きを読む

本作については、評者が戯れの良さを潰したかもしれないコメントを残していて、ひどく後悔する次第です。申し訳ございません。 出来心でやった、詠み人はそうおっしゃいます。オリジナル作品…続きを読む

日本の話芸「落語」は、昔から、現実より離れた物語を面白く語ってきた実績を持ちます。 時には恐ろしい話もあります。しかし噺家が人づてに聞いた話を語る、それもお笑いに包むという構造を…続きを読む

本レビューを書いている2024年11月30日現在、本作は【07-2】まで公開されたところです。連載途中であり、結末までに評者とは違う狙いにそって進むかもしれません。外れましたら早と…続きを読む

題名は「最強で最高な二人」ですが、前半はやや疑わしいです。力というか力量を見れば。 言葉の話をします。「最強」は他人が客観的に認めないと成り立ちませんが、「最高」は時に当人がノリ…続きを読む

本作は、読み始めると極めて面白いのでページを進める手が止まりませんが、読み始める前に深呼吸することをお勧めします。極めて複雑な構造をしているため、全貌を理解するのに熟考を要しますか…続きを読む

本作は「薬屋りん」シリーズの一作で、評者は本作が初見です。 いきなりですが「見える」とは何なのでしょう。その問いをぶつけられる冒頭に読者は頭をやられます。 題名に「観」の字を含…続きを読む