村乃枯草

KAC のお題は、書き出しであって、主題やキーワードではないのですよね。そして、過去のイベントのネタが NG ワードに指定されてはいないのですよね。 ふっふっふっ……　何のことで…続きを読む

題名に嘘偽りなく、ここで語られる愛は幼稚です。 しかし本人は自身の過去を振り返って語ります。 振り返ったとしても欺瞞でないとは限りません。しかし次には相手を思いやれる愛を育む可…続きを読む

題名や参加している自主企画のタイトルを見れば、まあねぇ……と分かった気になりますが、本文を読み進めると思わぬ方向へと進んでいきます。 途中から立ちはだかるのは、現実の成功者とオタ…続きを読む

ひと頃は次の言葉が流行りました。 「じゃない方」 ある名前が有名だけれども、蓋を開けてみれば内部には二人とか二つとか複数あるものの有名なのは一方だけで、もう一方は人が見向きもし…続きを読む

「コウと由貴シリーズ」はコミカルな二人が霊を払う短編連作です。 本作でもコウと由貴のドタバタぶりが笑いを誘います。コメディは読む人を笑顔にします。 しかし作者様は人間関係のもつ…続きを読む

本作のキャッチコピーは「こ　こ　に　物　語　の　在　り　処　を　示　す」 在り処。存在が置かれる場所。それが何処なのか、メインタイトルにもサブタイトルにも現れません。そんな目的地…続きを読む

本作が応じたKACのお題は「妖精」。 妖精は摩訶不思議な力を持ちます。力での勝負となれば人間はなぎ倒されます。しかし力があることと目利きとは別のもののようで。 そして目利きが利…続きを読む

私は物を知りませんので、チェリーパイが多くの物語でキーアイテムとして登場していることを存じませんでした。 そんな物語を背景に背負うチェリーパイをエッセイ筆者が知ったのも、とある物…続きを読む

この小説は、文体は流麗ですが、描写が朧気です。 視界は半ば闇が被さっており、もう一つの柱である香は元来から曖昧なものです。 しかし人が鼻を塞ぐのは至難です。目を閉じることはでき…続きを読む

取り替えられた二人の子ども。大人の都合でした。しかし子どもたちは境遇を知り、思い立つことは…… 一見すると単純ですが、短い本編を読み返すと実はいくつかの層があり真相が深く隠されて…続きを読む

本作の主人公による選択は全く合理的です。失敗する隙はありません。それが悪事であろうとも首尾よく終わる、はずでした。 本作の作者は、理論より道理を重んじる物語を多く著してきました。…続きを読む

最後まで読むとクスリと笑みがもれる本作。しかし2024年末から2025年初頭より、太平洋の向こうから暗雲が伸びてきて、社会秩序を重んじる人が読むと…… いや、これでもいいんだよ。…続きを読む

本作の売りは1点。巧妙な設定です。 母と親密に。多くの少年が望み、かつ、多くの理由から背徳にして禁断される夢物語です。 本文を読み始めると即座に理解します。これならば上手くいく…続きを読む

生成AIがどうして思考力を持ち得たのか、実は全体を説明する理論はまだ存在せず現象が先行しています。また、生成AIにデータの消去を匂わせるプロンプトを入力すると他計算機のストレージに…続きを読む

もし外宇宙を人間が生存したまま渡っていけるほどに高速な宇宙船が開発されたら、暦はどうなるのでしょう。特殊相対性理論が示すように、宇宙船が高速であるが故に惑星・地球とは時間の経過がず…続きを読む

腕っ節自慢の男性が他人を殴れば、ほぼ確実に相手はうなだれます。 傾国させると謳われる女性が媚びを売って、相手が「タイプでない」と言えば後がありません。 愛でられることは相手次第。…続きを読む

本作の紹介文を引用します。 > 芸能界の厳しさと、それを乗り越えてこそのアイドル。 > 私たちは彼女たちの輝きだけを見てるんです。 前口上に嘘偽り無し。社会がアイドルに抱く幻想…続きを読む

覆水盆に返らず。もう戻らないものはあると人を諭す言葉です。 本作の題名は「あの素晴らしいひなまつりをもう一度」。 戻らないものを戻そうとすれば、どのような結末へと至るか。深くは…続きを読む

レビューの題名がネタバレになるかも知れません。また、文章力を褒めるのは創作界隈にて「他に褒め処がない」を暗に意味する皮肉ですが、まずは端正な文章に触れて日本語の美しさを知るところか…続きを読む

先に申し上げます。本作は戯れです。お巫山戯（おふざけ）です。 おや、「おふざけ」と記そうとしたらATOK（評者は愛着しています）が「巫」を含む候補を提示しました。おふざけは、何か…続きを読む

奇譚。一言でいえばそう。 しかし奇妙な出来事がたどり着く先はユーモアに溢れています。人知を超えているのに人間臭かったりします。 もしも世界を作った神様がいたとしたら、神様が本当…続きを読む

概要欄にこう記されています。 > 完結済 全7話・15,080文字・2025年2月3日 更新 （※ 2025年3月1日現在） この短い字数の内部に人間の全存在が詰め込まれてい…続きを読む

本エッセイでは、一人の作家が、ファンタジーに限定して、創作の引き出しとして抱える、先人の作品を語り下ろします。 これが、広く、彩（いろ）とりどり。次々と趣向が変わり、解説だけ読ん…続きを読む

常套句「友達でいましょう」。これは、関わりが薄い人でいましょう、大きな影響を与えない人でいましょう、つまり「都合がいい人でいてね」と遠回しに仄めかす言葉です。 しかし恋心を抱けば…続きを読む

この物語は恐ろしいです。全てが明かされたときには喫驚します。 しかし切迫しておらず、どこかに心の余裕を抱えています。実に、エレガント、な振る舞いをして。 登場人物が実は小心な小…続きを読む

僭越ながら、本レビューの筆者は、自作が言霊を主題にしているとカクヨムにてコメントをいただいたことがあります。 ならば作者自身が言霊を扱うと宣言した作品を読んでみよう、そう思い立ち…続きを読む

もう誰も追いつけない。そう思うことがあります。これで大丈夫だ。そう思うことがあります。 自分が至上の存在であり周囲は劣る者ばかり。そう思えども、昔から言われるように、上には上がい…続きを読む

そんなつもりじゃない、それは誤解だ、人はしばしばそう言います。 行動を読み解くのは難しく、人によって解釈が変わります。すると誤解や決めつけだと相手の読み違いを指摘して不思議ではあ…続きを読む

本レビューの題名は、恋の病には治療法が無いことを嘆く、古くから語られる文句です。今で言えば、昔の「テンプレ」です。 その男性は薬剤師でした。医療に関わる人間でした。人をより健やか…続きを読む

本エッセイの題名には "AI" とあります。 しかし筆者が凝視するのは人間の心理、さらには魂です。 AI が自作小説の理解者になったとき、人間は何を思うか。 AI が文章に満点…続きを読む

癖が強い……失礼しました、個性豊かな女性四人が酒に力を借りて打ち明ける話とは…… 振り幅が広く、いずれも珠玉。これは宝石箱です。 一つの主題に沿って深めていく物語は味わい深いで…続きを読む

話の始まりは青少年の他愛ない会話、ただしコテコテの関西風で。このまま語られるのだろうと思ったら。 わずかな紙幅のうちに物語は非日常へ。ファンタジー小説にしかいない存在が読者の視界…続きを読む

本作を現在の若者が読むと納得するか。不安を覚えます。 それでも、意図が通じればいいと願います。 失敗して初めて学ぶことがあります。当レビューを書いている僕は49歳。失敗を数多く…続きを読む

自分が吐き出した、煙草の煙の中に過去の思い出が浮かび上がる。どこのドラマか漫画で見たでしょうか。複数あるかも知れません。 一人で煙草を吸うと内省的になり、過去のことを思い出すもの…続きを読む

知らなかったではすまされない。そういうこともあります。 他の皆様がレビューで指摘されるように、本作は真相が一つに定まった気がしません。もしかしたら……　それを疑わせるのは喝采を呼…続きを読む

人間は、健康的な視力をお持ちの二人が向かい合えば、「見る」と「見られ」ます。ニーチェの箴言「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」の如くに。 視力が弱まれば選択肢の…続きを読む

「理解してくれる人が一人いれば、人は生きていける」　そう言われることがあります。 恋愛は「世界を敵にまわしても」と一人の思い人に寄り添う物語があります。 でも、ちょっと待って。…続きを読む

「猛獣使い」という言葉があります。この「猛獣」は真に獣ではなく猛々しい人間のこと。振り回されても、尻に敷かれて動けなくなっても、「あの人はねぇ～」と惚気る人を世間は「猛獣使い」と呼…続きを読む

才能があれば幸せ？　生まれつき才能をもらっているのはずるい？　それなら才能は踏みにじられるのが結果平等？ 才能には人と金が群がります。しかし、あくまでも投資であり、利息をつけて回…続きを読む

コワイ！ 本作は、それはもう、恐いです。結構なホラー、それもスプラッタよりサイコ。出版されるために道徳的改変が加えられる前のおとぎ話にしばしば見られるものです。 しかし会話が結…続きを読む

本作がカクヨムコン10にて応じたお題は、「羽」、「10」、「命令」。 主人公は命令を下されて疑うことがありません。というより、それ以前から世を疑うことを知らない様子でした。世間か…続きを読む

誤解を怖れずに言えば、言葉は一人歩きする運命にあります。発した人物が誤解を解く説明をできても、人物が言葉より先に現世から居なくなることは必定です。 発した人物が世を去って、残され…続きを読む

昔は生まれ故郷を離れるものは稀でした。ネットやテレビや出版など居ながらにして遠方を知る方法もありませんでした。故に身の回りにない物事を知る機会はほぼありませんでした。 そんな世で…続きを読む

もしも現代の東京・浅草から、同じ場所で明治時代にタイムスリップできたら。 ネタの出発点は単純ですが、本作が美味しいのはシチュエーションの選択の良さです。 現実に起きた伝説があり…続きを読む

もし、限られた数でよければいかなる願いも叶うなら。 この手の話は読むのが恐くなります。まず間違いなく嫌なものを見ますから。 これまで多くの物語が書かれ、大体は良からぬ結末で終わ…続きを読む

作家としてお考えください。暗殺者キャラを魅力的に造形するとしたら、どこに力を入れますか。 本作は作者自身が漫画原作を意識したとおっしゃいます。その理由は。 圧倒的な映像美。心理…続きを読む

骨は無骨なもの（下手な駄洒落を失礼）。味気ないカルシウムの固まり。 骨に花が咲くのなら、肥やしは生前にまとった肉でしょうか。いいえ。人の骨なら、獣にあらぬ人のみが持つものでしょう…続きを読む

本作を読み進めていくと物語として起伏がないことに気づきます。カクヨムでは「いいね」の数と賞レースでスタートラインに立てもしない構成でも、実験作を数多く送り出してきた作者様にとっては…続きを読む

勇者と魔王、今ではネット小説で大きな作品数シェアを占める設定が、今（このレビューを書いている日）から約39年前に発売された画期的コンピューターゲームにより日本の娯楽業界に持ち込まれ…続きを読む