『私』は明晰夢と思われる場所で、釣りをしている老人に会う。『私』を待っていたという老人は、地に生じた星とやらを探しているらしい。どうにも、まれにしか見つからないようだ。探し方が悪いのではとアドバイスするも、はねのけるどころか言い返されて。だから『私』は……。地に生じた星とは何なのか。この夢はどこへ向かうのか。夢は色濃く現実のようになっていく。夢と現実が重なった時『あなた』はその答えを知るのだろう。
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幻想的な情景と文体の中に、突如現れる不思議な老人。彼に近づく若い女が一人。老人は星を「浚う」ことをしているのだそう。でも星なんて滅多に無いのですって。実際は糞を浚うようなものらしいのですって。突如の場面転換に読者が驚くよりも早く、老人はとあるものを浚います。釣り上げられたものとは?その意味とは?そして星とは?読後に考えさせられる作品です。是非ご一読を。
森の生臭さ、どろりとした水面、月が映るのに月がない夜という矛盾した世界観が、読者を夢かもしれないという安全地帯に誘いつつ、首玉の登場で問答無用に足元を崩してくる。 ホラーとしての恐怖演出もさることながら、首玉が単なる怪物ではなく「痛かった」「あの子を返して」と訴える被害者であるという点が、この作品を単なるホラーに留まらせない。 あと老人の乾いた作業感も印象的。
森の奥。赤みを帯びた淵のほとりで、老人が静かに釣り糸を垂らしている。彼が口にするのは「星浚い」という、美しくどこか不思議な言葉。しかし、本作のジャンルはホラー。美しい幻想譚のままでは終わりません。夢のような場所に迷いこんだ主人公は、老人との会話の中ですこしずつ不穏なものを見せるのですが……。「星」とは何なのか。なぜ彼女はそこへ呼ばれたのか。その答えを考えながら読むのが、とても楽しい一作です。
とても幻想的な導入で、釣りをする老人は太公望を連想します。ところが、中盤から徐々に穏やかではなくなり、後半は想像を遥かに超える恐ろしい展開が待っています。この落差が堪りません。ラストシーンも、とても印象に残るものでした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(247文字)
星、女、森、水。ありありと美しく語られる夢につい引き寄せられて、この作品を最後まで読んでしまいました。怖くて眠れなくなってしまいました。きっと夢を見てしまうから。もう一睡もしません。だからどうか許してください。本当にありがとうございました。
いつの間にか歩いていた闇夜の森は、現か夢か、それとも他の何物かか。空に輝かぬ水面だけ月が照らす淵のほとり、ただ老爺が釣り糸を垂らすだけ。「星浚い」を務めとするというその老爺に、訪れし者が見せた心とは、その行いとは、その眼前に淵から釣り上げられたものとは……。ここは一体どこなのか……心のなかの暗闇の縁に、或いはその答えが浮かび上がるかも知れません。
「星浚い」実に幻想的な言葉でありカテゴリー「ホラー」とは結び付かないですが……。星、夜空。そんな透明感のある言葉とは真逆の、どろりとした感触の残る短編。言葉にいちいち滑り気があり、ゾクリとしますよ。是非お楽しみください。
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