給食の時間は、学校に在籍する多くの者にとって休息の時間であろう。
献立表にはバランスも取り合わせもよく、ボリュームもあり、美味しそうなメニューが並ぶ。
しかし、よくよく見てみると、通常ではありえない材料が使用されている。
そして、献立表には給食室からのメッセージに加え、なぜか生徒からの口コミめいたメッセージが。
生徒たちのユーモラスな感性溢れるメッセージの数々に熱中してついつい騙されそうになるが、これは一体どういうことなのか?
小さな違和感はやがて疑心へ、最後は確信へと変わり、読者を恐怖のるつぼに叩き落とす。
エンターテイメント性の強いモグモグ×モキュメンタリーをどうぞご賞味あれ。
美味しそうな給食のメニュー。こんな豪華で素敵な食事ができるなんてと羨みながら、無邪気で美味しそうな生徒たちのコメントを微笑ましく読んでしまう……あれ、なんだかおかしい。
小骨が刺さったような違和感。読み進めるにつれて少しずつ形がはっきりとしてくる不安。あんなに楽しそうな食事から血腥い臭いが漂ってきたと思ったのは、気のせいでしょうか。
「食後に体調がすぐれない場合は、無理せず保健室に申し出てください」そんな決まり文句を最後に目にするたびに、だんだん寒気がしてきてしまう。
普通の学校の給食献立表だったはずなのに、次が気になってつるつる読んでしまう。かと思えば、カッと喉の奥が焼けるような急展開、ねちゃりと絡みつく嫌な感覚。しかし、途中でこの気味の悪い味に懐かしさすら感じてしまう。もったいなくて、最後の一口を呑み込むのが惜しい。しかし、これは呑み込んでしまってよかったのか。
じわりと後に尾を引く味わい深いホラー作品でした。
給食の献立表について
わたしは、小学校、中学校と給食を食べました。
小学校の時の記憶の方が強く、砂糖がついた揚げパンや畑のお肉と称する、大豆で作られたお肉など、いろんなものを食べました。
好きなのもあれば苦手なものもありました。
当時は献立表を見るのが楽しみでしたが、昔は今と違って、原材料名までは書かれていなかったように思います。
今なら当たり前の原材料名ですが、あの頃食べて成長させてくれた給食にはどんなものが使われていたのだろう。
あまりに当たり前すぎて大切なことを見失ってしまいそうになる毎日をこの小説は教えてくれました。
とっても怖いホラーですが、とても面白いです。
お薦めいたします。