設定の骨格が非常に太い。 文明崩壊後の世界に"マジン"や"マドリマ粒子"といった独自概念を自然に溶け込ませながら、説明過多にならずに読者を引き込む筆力がある。 プロローグでいきなり看板を投げ返すシーンから始まるつかみの鮮やかさ、そして主人公の口調の軽妙さと戦闘描写の迫力が絶妙なコントラストをなしていて、一気に読ませる推進力がある。
文芸作品なんだ、素晴らしかった。孤独との戦いもあっただろうに、素晴らしかった!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(231文字)
終末世界。ポストアポカリプス。東京とその付近だった世界が崩壊し「ウエノ」「カシワ」などのカタカナ地名になってしまった設定にはやはり戦慄を覚えざるを得ない。けれどもエイジはそんな世界であくまでも明るく力強く、何気なく生きていく。アイリーンとともに。文章は緩急があり、とても読みやすいです。崩壊後の世界に、むしろ皆さんをご招待したいこの気持ちは何なのか。面白い。是非!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(185文字)
崩壊した東京を舞台に、汚染された大地で「運び人」として生きるエイジと、遺跡で目覚めた戦闘用アンドロイド・アイリーンの交流を描く。精緻な情景描写と「離心槍術」などの重厚な戦闘システムが魅力だ。かつての婚約者が人外の「マジン」と化し、絶望の中で愛する者を手に掛けるといった悲劇的で残酷な人間ドラマが、美しくも冷酷な終末世界の空気感を際立たせている。ポストアポカリプスの世界観に浸りたい人。重い人間ドラマや本格的な槍術アクションを好む人。アンドロイドと人間のバディものに惹かれる読者におすすめできる。
「世界観・アクション・感情」の三つがしっかり噛み合っているのが印象的でした。世界観の自然な提示戦闘の読みやすさキャラクターの死の重さかなり完成度が高いです。