概要
女神伝説に翻弄された少女が、自分を取り戻していくお話です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!切なくも美しい物語
重厚な物語が流麗な文章で紡がれていて、冒頭から結末までずっと圧倒されていました。
双樹の国、そこには女神伝説がある。
遠い昔、この国の皇帝と花の女神が恋人になった。
女神の名は暎花。二人は愛し合っていたが、皇帝は出来心で浮気してしまう。怒った暎花は花の神の国へと帰り、昼夜問わず詫び続ける皇帝にこのような内容のことを言う。
今生ではもう会わないということ、もし皇子が生まれたらそれは皇帝が転生した姿であり、そのときは自分もどこかで転生しているから、また見つけられたらあなたのものになる、と。
さて、そんな伝説のある国で、140年振りに皇子が産まれた。女神の化身は皇子が9歳のときに見…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ゆめは、変わるんだよ。
人には、生まれ出た瞬間から与えられた運命、もしくはそれを、『役割』なんて言葉で言い表すのやもしれませぬ。
しかし、イザ与えられたその役割を、どこまで忠実に演じ切れるか。
そこには耐え難いほどの我慢や、葛藤が、あるのやもしれません……。
「あなたの子孫は皇子が産まれることが少なくなるでしょう。ですがもし、皇子が産まれた時こそ、それはあなたが転生した姿であり、わたくしもまた、いづこかへと産まれているでしょう。わたくしを見つけられるかがあなたへの罰です。もしわたくしを見つけられたなら、私の身はあなた以外に触れさせますまい」
この国の女神の予言である。そして、本当にこの国に皇子は滅多に生まれな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!想いが運命を動かす——静かに心を震わせる幻想譚
『繋がるさきのゆめ』は、読めば読むほど心が静かに揺れていく、とても美しい物語です。
導入からもう惹き込まれました。
迷子の少女・翠と、手を差し伸べる少年・玲。あの一瞬の出会いが、温かさと切なさを含んだ長い物語の起点になっている……その構図がまず見事です。
本作の魅力は、人物たちの想いの強さが丁寧に描かれていることだと思います。女神として祈りに生きることを強いられた翠、変わりゆく彼女の立場に寄り添いながらも距離を置くしかない玲、そして若くして国を背負う皇帝・槐。それぞれが誰かを大事に思うがゆえに選ぶ行動をしていて、どの感情もとても純粋で苦しくて、美しいんです。
物語の後半は特に圧巻で、胸…続きを読む