概要
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!空が泣く
主人公には目があった。両の目があった。
世間の多くの者には一方がないのに、主人公には、両方の目があった。
あるとき主人公は母に問う、「おっかさん、目ん玉が一つなくて見えるの」──。
さらりと読めば からりとした文体を楽しめる不思議な物語。
じっくり考えてみれば──なんというのでしょう、人間の、歳を重ねていくこと、それに附随する反応 などについて考え込めるような物語に感じました。
個人的な感想を押しつけるのは避けたいのですが、何事も子どもの方がよく見えているものだよなあと、改めてしみじみと思いました。
このレビューはただ、あなたさまがこの作品に出会えるきっかけとなれば嬉しいです。
恐…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夜空に火焔の華その播種の如き芽吹きを見る。
自分は何処かおかしいのだろうか。
棒手振りも大工も岡っ引きや同心。そして
両親までもが皆、一つきりしか目玉が
なくて、もう一方は黒々とした深い竅が
穿たれている。
或る時、弟が生まれたが。その子は
自分と同じく両の目から涙を流して泣いて
いた。
いずれ、片方が抜け落ちて
しまうのか?
何故 は更なる好奇心に揺さぶられて
悪所を巡る。廓町の華やかな喧騒の、その
裏通りでは両の目が竅となった女郎が
粗末な茣蓙に座っては、愛想笑いを
浮かべていた。
底無しの暗い竅が、自分を見つめている。
大火に見舞われ、半鐘と火の粉が降り注ぐ
中に、焔炎に照らされた荒磯と菊柄の
振袖姿をした…続きを読む - ★★★ Excellent!!!消えた片目はどこにある? この強烈過ぎる世界観に圧倒されます
唯一無二な世界観を見たな、と最初から最後まで凄かったです。
主人公の少年には、「みんなの片目がない」ように見える。
父や母や、他の同年代の子供たち。それらの人々は「片方の目が空洞になっている」ように見える。
でも、彼らにはその自覚にはなく、「目は二つある」と言い張る。
どうして、彼らの目はないのか。そして、「消えた目」は何処に行ったのか。
この前提となる世界観の異質さで、序盤から心を掴まれました。
そのまま読み進めていき、ラストで出てくる「思わぬヴィジョン」に驚愕。
このヴィジュアル的なイメージがとにかく強烈なインパクトを持っていました。とにかく世界観の凄みに圧倒さ…続きを読む