概要
御厩 満里奈(みまや まりな)は、奇病『卵黄欠乏症』のために正常な卵を産めず、それ故に子供を諦めていた。しかし、新たに開発された人工臓器『子宮』が満里奈と同じ病気の人に希望を与える。満里奈は、『子宮』の臨床試験の被験者に名乗りを上げて……
お題フェス11 第二弾、お題『卵』で書きました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!母になるということ
これはすごい。
「卵」のテーマでいろいろ読んできましたが……
現状一番惹きつけられました。
ページを捲る指が止まらない。
どうなってしまうんだろう?
こんなふうに熱中して物を読んだのは、久しぶりな気がいたします。
主人公は、「卵黄欠乏症」という病気を患っており、
本来赤子が産めません。
しかし、愛しい人との間に子供が欲しくなりました。
本来、与えられない物を欲しがってしまう。
そのような人間の欲望にはリスクがどうしてもつきものです。
最新科学によって、自分にも赤ちゃんが産める可能性が出てきたということでした。
しかし、それは、自らが人体実験のモルモットになることを意…続きを読む - ★★★ Excellent!!!命が生まれる神秘に、あらためて感謝を。
すべての動物が卵から生まれる世界で、史上初めて妊娠・出産を経験する女性、満里奈の物語。
設定だけ見るとかなり突拍子もなく思えますが、描かれる日常や人間関係は驚くほど現実に近い。だからこそ満里奈は、妊娠特有の不調に振り回され、心身ともに疲弊します。
しかも、「世界初」で知識がないためか、夫はどこか他人事で、寄り添う気持ちが乏しい。でもこれ、妙に見覚えがあるんです。現実でも、妊娠や出産の大変さを理解しないまま、距離を取ってしまう男性は少なくないですよね。
作中では世界で初めての妊娠ですが、私たちの世界ではそれを当たり前の営みとして扱っています。けれど、本当にそれは「当たり前」なのでしょうか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人間が卵を産むのが普通の世界。その世界で、人類初めての『出産』を試みる
おお、これぞSFだなあ、と設定がとても面白かったです。
この世界に住む人間(というか全ての哺乳類も)は全員が「卵を産むことで子孫を増やす」という体をしている。
そんな中で主人公である満里奈は「卵黄欠乏症」として卵を産めない。そのために子供は諦めるしかないと思っていた。
でも、諦めなくていいかもしれない。卵生が絶対となっているこの世界の中で、「子宮」なるものを体の中に移植することで、人間が直接胎内で子供を育てて産むことができるようになると伝えられる。
この感じがまさにSF。「大前提」となっている自然界の条件を別のところに置くことで、現在は「普通」となっていることを「特別」なもの…続きを読む