概要
野辺送りの風薫る幻の里、満月の見えない村で、禁断の扉が開かれる。
神崎小太郎が初めて描いた本格的なホラー小説は、東北の奥地にある「三日月村」を舞台にしています。この村は一年を通じて満月が見えず、地図からも抹消された謎多き聖地です。主人公の美咲は、祖母の四十九日の忌明けに行われた納骨式で不気味な体験をします。祖母の遺言を無視して開けた桐箱から現れたこけしが、恐ろしい呪いを引き起こします。美咲と母は次々と怪異に襲われ、ついには三途の川の畔で祖母と再会することに。
こけしの呪いから逃れるため、美咲は恐怖と戦いながらも、現実と異世界の狭間で生き延びようとします。果たして彼女はこの恐怖から解放されるのか、それとも永遠に呪われたままなのか。あなたの目でお確かめください。
こけしの呪いから逃れるため、美咲は恐怖と戦いながらも、現実と異世界の狭間で生き延びようとします。果たして彼女はこの恐怖から解放されるのか、それとも永遠に呪われたままなのか。あなたの目でお確かめください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!白く薄い闇の中をゆく幻の野辺送りと呪い
これは前書きにもある様に、普段は心を
温める人間模様を描かれるのを得意とする
作者が本気で臨んだ、肝を冷やしめる
ホラー作品であるという。
元々、作者は登場人物の心情をとても
丁寧に描き出すのに長けている。そして
この、出だしの野辺送りの情景の
美しさと不穏さである。
黒揚羽が舞う廼辺を、青々とした田圃の
畦をしめやかに行く葬送が、精緻な描写に
よって鮮やかに目に浮かぶ。
更に、そこからの
呪いの急転直下。
これは是非とも実際にその目で臨場感と
恐怖を味わって欲しい。
こけしの呪いは解けたのか?
答えは文末にあるとは限らない。これは
三日月の幻な…続きを読む