朱夏

都会の設計事務所に就職したナツキは、両親に乞われて数年ぶりに帰省した。母に頼まれ草取りをしていると、思いがけないものに遭遇し――

笑いあり、「へえー」となるところあり、ドキドキありの楽しい作品でした。
ネット上でよく見るフレーズを用いたやり取り、ナツキの雑すぎる対応には特に笑ってしまいました。それらがただのネタとして盛り込まれるのではなく、きちんと活かされているところが良かったです。
春の後には夏がある。前者が芽吹きのパワーに満ちた季節なら、後者はそれが繁茂し、抜いても毟っても根っこが残っているかぎり切り無く生えてくる、パワーの溢れる季節ではないでしょうか。
そんな夏だからこそ、気持ちが盛…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（147文字）

主人公女性、ナツキは、男性に縁のない、さばさばした性格のアラフォー。
（あまり外見にもこだわらない）
夏の暑さのなか、草取りをしていると、なんと、草を生やしてまわる小人を発見！

雑草を生やす小人、憎し！

ナツキのとった行動には、笑ってしまいます。

その小人は、自分を夏の精霊だと名乗り……。

ナツキの、思ってもみない夏の日が始まります。
爽やかな飲み口の物語。
暑い夏の読書にぴったりです。

おすすめですよ。
ぜひ、ご一読を！