火照る季節に押される背中

都会の設計事務所に就職したナツキは、両親に乞われて数年ぶりに帰省した。母に頼まれ草取りをしていると、思いがけないものに遭遇し――

笑いあり、「へえー」となるところあり、ドキドキありの楽しい作品でした。
ネット上でよく見るフレーズを用いたやり取り、ナツキの雑すぎる対応には特に笑ってしまいました。それらがただのネタとして盛り込まれるのではなく、きちんと活かされているところが良かったです。
春の後には夏がある。前者が芽吹きのパワーに満ちた季節なら、後者はそれが繁茂し、抜いても毟っても根っこが残っているかぎり切り無く生えてくる、パワーの溢れる季節ではないでしょうか。
そんな夏だからこそ、気持ちが盛り上がり、勢いにのっていける。
とても素敵な作品でした。