妻が逝った。
かつて展示会で見た、ミイラの手に酷似したものを大事に抱えながら……。
そこから始まる、不穏に次ぐ不穏の連鎖。
葬儀の煙は、ろくろ首のように動いてこちらを睨み、
自宅には、妻の持っていた手の事を知りたがる、見知らぬ怪しい男。なぜか主人公を知っている。
そして、何者かに息子は階段から突き落とされる。
物語は、あくまで主人公の目線を追っており、
真相は語られないまま終わる。だからこそ、こちらで考察をすることになる。
妻はなぜ、あの手を持っていたのか?
主人公を知る、あの男の正体は?
あの手は、一体なんだったのか……?
ゾワワな読後感は、想像力を掻き立てます。
ご一読を。