概要
吸血鬼が陽の光を憎んでいるだなんて、誰が決めた。
ロードバイクをこよなく愛する高校生の渡瀬香澄は、ある夏の夜に自分より速いロード乗りの女性と出会う。三条伊吹と名乗る社会人の彼女と意気投合した香澄は二人で連日のライドを楽しむが、それはいつも決まって夜だった。明るいときに会いたいと提案した香澄に対して「ロードには夜しか乗らない」と伝えた伊吹の真意は……
本作品、犀川よう様の自主企画「さいかわ葉月賞」において最終選考に選ばれました! 応援してくださいました皆様、ありがとうございました!
ささやかな感謝の気持ちとして、スピンオフ作品「真夏のヴァンパイア ぼおなすとらっく!」を投稿しております。こちらもぜひ!
「真夏のヴァンパイア ぼおなすとらっく!」
https://kakuyomu.jp/works/16818093082347393985
第
本作品、犀川よう様の自主企画「さいかわ葉月賞」において最終選考に選ばれました! 応援してくださいました皆様、ありがとうございました!
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第
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!加速していく彼女たちは、きっとすべてを手に入れる
夜、ロードバイクで帰宅していた香澄は、自分と同じくロード乗りの女性を見かける。知り合った二人はその日から夜のライドを共にし、心を通わせていく。
まずすごいのがロードバイクに関する描写です。ギアの操作やそれに対応した姿勢や動作、加速といった細かな部分まで描かれていて、それは単に「詳しい」というだけではなく、臨場感がありました。ペダルを踏み込む筋肉、吹き出る汗、肌で感じる疾走感等を擬似体験できたように思います。
また、ライドの様子だけでも二人がロード好きだということはわかるのですが、私はバイクの性能について語るシーンでよりそのことを感じました。
二人が時間や気持ちを共有していく過程には、とても…続きを読む - ★★★ Excellent!!!先入観が焼き尽くされていく衝撃作
夜明けまでの制限時間。病態生理の一環が裏付ける【夜】であることの必然性。
吸血鬼というメタファーを物語に上手く融合させ、時間切迫という緊張感から瞳が離れられない。
限られたその時間の中で紡がれる方向性に、私たちは新たな物語の可能性を知ることになるのではないだろうか。
心拍からめぐる血流をrpmとしてアドレナリンの奔流を感じるような臨場感に魅せられる。
また、ライドの疾走感の心地よさに高鳴る心理描写として醸す百合要素も見事にマッチしていて、センスの高さを感じざるを得ない。
感性あふれる名セリフの存在感も、控え目の自然体でありながら、読み手の胸に深く刻み込まれていく。この必然性に私は、作…続きを読む