概要
彼女のいる病院には、天使が舞うという
高校三年の夏休み。入院している夏希の元へ、綾子が見舞いに訪れる。お互いに相手には絶対に言えないその秘密とは……
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- ★★★ Excellent!!!宮崎の夏の午後、営業終了後の誰もいない遊園地のように静かに、切なく。
定期的に主人公の綾子が会いに行くのは、入院中の夏希。
夏希の無頓着さが好きで嫌い、特別扱いしたくない、一緒に卒業したい、秘密を知られたくない。
綾子が夏希の携帯で見た「は」の予測変換候補で先頭に表示された言葉には、彼女の秘密が。
二人は秘密をひとつずつ、持っているのです。
天使の存在を身近に感じる病院で、夏希は点滴を繰り返すたびにきれいになっていく。
もしも天使がいるなら――
綾子の震える心が見事に表現されていて、美しい描写が読み手に場の空気感までありありと想像させます。
その空気の中には、二人のもつ秘密の濃密さや、病院内に漂う「生」と「死」両方が含まれています。
一緒に卒業できたら…続きを読む