誰がために天使は舞う。大切なものを護ってくれないならば。

本作には「百合」「ガールズラブ」のタグが付されています。
なるほど、違いありません。
ですが本作を読んだ率直な感想を申しますと、本命は別のところにある気がします。
「高校生から二十代前半に読んで欲しい」という企画に参加されていることに、本作の性質がうかがわれるように感じます(わたしは高校生でも二十代前半でもありませんが)。

主語が大きくなってしまい恐縮ですが、この社会では男どうしの友情を美化するあまり、女どうしの友情を軽んじてきたきらいがあるのだろうと思いました。
友情が友情以上のものになったときでさえ互いを思いやる気持ちは、女どうしだからと言って劣るとはとうてい思えません。
今さらですが、わたしたちは必要以上に性別に拘っているにちがいない、と本作を読んで改めて思いました。

もったいぶったことを書き連ねてきましたが、南国の海辺の空気を感じたいひとも、是非ご一読あれ。