この作品、都合4回も読んでいる。
初めて読んで、そして二度見。更には
最近又、読む機会があって…そして今また
読んでいる。
実に、不思議な話。
これは一体?
初めて読むと、きっとそうなる。だが
不思議な引力の様なものが働いて、つい
つい再読してしまう。
そして、読む度に全く違った景色が
見えてくる。ユーモラスで洒脱な
ロウ・ファンタジー。街の片隅で生まれた
粋な恋愛物語。小さな生き物の心を
垣間見る現代ドラマ。
そして。
鳥達の生活は存外ヒトのそれに似て、
様々な試練や僥倖を一つずつ掘り当てて
拾っては積み上げて行くのかも知れない。
何度でも読んでしまう。
素敵なドラマがここに。
作者様の日頃の観察眼から紡がれた感性あふれる物語。
でもよく読んでみると、この小説……会話の「 」が一切ないのです。
何だろう? 気になって読み進めてみる……でも不自由なく会話しているような不思議な感覚。
これこそ作者様ご用達のトリッキーな話術設定なのか。
さらに進んでみる……おぉっ! 何だか面白くなってきた!
シリーズ物を思わせる黒の装束。
夏に抗う矜持を纏い続けるこの声の主は一体何者なんだ?
正直、謎です。謎だからこそ、興味や味わいも深まると言えるのかもしれない、
日常の一コマ一コマから繋ぎ止められた非日常を思わせるとりとめのない妄想が闊歩する、コミカルでシニカル、そして機知に富んだアイロニカルな私談の一端をお楽しみください。