作者の方は実際に高校球児であったか、あるいは彼らと共に生活なさったことがあるのでしょうか?そう思えて仕方ないリアルな描写が続きました。高校球児といえば、いわゆる「甲子園」でプレーする選手ばかりが注目されがちですが、その大多数はこの作品で書かれるような球児がほとんどです。また、合同チームとして最後の夏の大会に出場する高校硬式野球部は、各都道府県で数は少ないですが確かに存在します。皆様、もし身近に高校球児やそのご家族のお知り合いがいらしたら、この作品を紹介してください!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(255文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(309文字)
高校生球児にとって特別な思いが込められた最後の夏。夏の暑さが心の熱に変わる球児たちのドラマ。恐ろしいまでに凝縮された、最後の一球に込められた、その思いのすべてを、瞬きを忘れた刹那の美しさとして感じてほしい。球児ふたりの存在を、夏空の雲だけが、みていた。秀逸なタイトルに支えられて、どこか報われる心地が瞳にやさしい小説です。