昭和のレトロからノスタルジーを感じるカルピスへの思いを綴った短編です。冒頭から夏の雰囲気を味わって、そろそろ乾きを覚えた頃に本作の主役カルピスが満を持しての登場。まるで図ったかのような展開が憎いほど巧い。乳白色の独特な酸味と、夏の味として確かめたくなる爽やかな甘味。思い出すだけで喉の乾きを引き寄せる魅力が込められているようです。時代の移り変わりから、古き夏へ思いを寄せたくなるテイスティー小説。手元にカルピス飲料をご用意ください。さらに美味しく楽しめることでしょう。