概要
夏に大河を凍らせて、僕らは戦争をした。
「冬招きの巫女」__それは、大河を凍らせ敵を阻む、スカンジナビア連合の守護者。彼女は永遠の冬に愛された英雄として、語り継がれていくだろう。でも僕がこれから話すのは、あの何も特別じゃなかった日のことだ。ダルい説教なんかしないからさ、聞いて、よければ祈ってくれよ。どうかこの地に、本当の夏が訪れる日を。
本作は犀川よう様主催さいかわ葉月賞 テーマは「夏」のために書き下ろしたものです。
本作は犀川よう様主催さいかわ葉月賞 テーマは「夏」のために書き下ろしたものです。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!血も凍りつく夏の戦慄――次の夏は平和な海の眼差しで
最後となる夏の海での仲間との戯れ。
そんな中、突如として現れた軍艦からの軍事侵攻。
多くの命が凶弾に倒れる中、巫女ウルスラが放った冬招き巫術でこれを耐え凌ぐ。
その威力は凄まじく、敵軍はおろか、その辺り一帯の大河をも一瞬で凍りつかせたこの巫力は、絶対零度魔法を思わせるローファンタジーそのもの。
この大河を永遠に冬とするならば、血も凍るような夏の戦慄も、凄絶なる憎しみの連鎖も、そっと悄然として氷の中に閉じ込めてしまえば、勝利も敗北もない戦争を回避できるのだろうか。
長きに亘り、その示威的な施しを残すでしょう。
来年の夏も、きっと大河は凍り続けているでしょう。
夏のような暑さとは言わな…続きを読む