近い将来、私たちは過去の出来事を他人と共有したり、視覚・感覚認識を介して今は亡き人と再会できるようになるかもしれません。
この物語の舞台は近未来2035年の日本。
様々なSFデバイスがそんな夢のような感覚にいざないます。
魔法のような科学技術の結晶は大変魅力的ですが、同時に現実と虚構の境界がなくなる危険性があるのも事実。
私たちにもたらされるメリット・デメリットの両面を深いSF造詣から学べる興味深い内容が旅の中に凝縮されています。
また視座の幅も巨視から微視まで幅広く、脳内の映像として浮かんでくる臨場感が魅力です。
過去の記憶を視覚情報を元に俯瞰的に眺めるマクロも、
生体内の標的病巣を分子レベルで迫るスリリングなミクロも、
スマートデバイスから与えられる人類の叡智として楽しめる上質なSFツアー小説です。
こんな未来、本当にやってくるかもしれません。そんな予感に心踊る、近未来の世界を描いた素敵な小説です。