概要
迫りくる影
いつものように、早朝出勤のため、まだ暗いなか家を出た俺は、迷宮のような住宅街で激しい衝突音を聞き――
小野塚さまの自主企画「🎐納涼怪談会🍉」参加作品です。
小野塚さまの自主企画「🎐納涼怪談会🍉」参加作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ラストまで続くスリル満点のサスペンスホラー
いつもながら、巧みな情景描写にうっとりしながら読み始めた。
“湿った空気に熱烈に抱擁され”なんて表現は、佐藤さんならではだと思う。私には到底真似できない技である。その才能が羨ましい。
黒い男から逃げるシーンは迫力満点で、ドキドキして手に汗握る臨場感だ。
ところで、込み入った住宅街での車のすれ違いの場面で、作者の佐藤さんが“離合”という言葉を使っているのが気になって指摘したら『わざと使った』との返信。
九州、中国地方では、狭い道での車のすれ違いのことを離合という。関東から北では通じないらしい。
だが、離合をすれ違いというのは、九州人には抵抗がある。離合は狭い道での車のすれ違いのことで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶望のラビリンスは闇の向こう
朝未だきの暗い道を仕事に出かける男。
彼が住んでいるアパートは、酷く入り組んだ
細い道が葉脈の様に分岐している
ラビリンス。
彼ハ誰刻にも未だ早い昏闇の中で
ソレ は起こったのだが。
大きな衝撃音が聞こえる。正面の十字路を
左に曲がった先から。今度は右手から
車のドアが閉まる音。
常夜灯の心許なさに
更に目を凝らす。
そして、カーブミラーに映るもの。
緊迫したチェイスが、真夏の夜のじっとり
重たい湿度の下に繰り広げられる。
黒い影が、こっちを見据えているのを
認めた瞬間に、入り組んだ細い道がじわじわ
貌を変えて行く。
朝まだ昏い 彼ハ誰刻 は…続きを読む