現実世界とあの世との、あいまいな境界がほころぶ場所。 不吉な、白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒、『鯨幕』の張ってある家。 うっかり迷い込んで来てしまうなんて、残念です。 白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒…… でも、せっかくだから、思い切り恐怖していってくださいねぇ。 白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒……
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(239文字)
私たちが暮らす日常には、『不気味』というものが潜んでいることを改めて認識させられる作品。幽霊を目撃した人や奇妙な体験をした方たちは、必ず口をそろえて「まるでラジオの周波数が合うような感覚でふと、日常から非日常へと引きずりこまれる」と語るが、それはあながち嘘ではないのかもしれない。もしこの作品を外出先で読んだら、私はおそらく一人で帰宅するのが嫌になっただろう。また描写が非常に美しく、思い描きたくないのにそのシーンが頭の中に次々と鮮明に浮かび上がる。まるで読者である自分自身も鯨幕を見てしまったかのように。
印象をそのまま言うと「子供の頃に初めて見たときの風景」何も知らない状態で見た"それ"は恐怖しかなかったその異空間へ強制的に連れられ、逃げ出したくても出来ないそんな情景を思い馳せました😊
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