概要
ある日モデルルームへ訪れた幼女に出会う。
『きよ 5才 あなたの子供です。よろしくお願いします。』
幼女が差し出した手紙に戸惑う皐介は、早速母親探しを開始するが――
「あのひと、しぬよ」
柔らかな指先を向け、澄んだ声で告げる幼女の目的とは。
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約12万8000字の作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「ひとでなし」
ある男のところに、娘を名乗る少女が現れる。
彼女は本当の娘であるのか。彼女は何者か。そして、何を秘めているのか。
人間のホラーであり、そして怪異のホラーであるようにも思う。
そしてレビュータイトルのことばは、ある種主人公につきまとうことばでもあるように、読んだ上で思っている。
人でなしとは、なにか。
人でなしは人になりかかり、だからこそ人でなしになることを選んだ。
これ以上のことを書けば間違いなくネタバレになるので控えるが、そういうことなのだろうと個人的には思っている。
ぞっとする。ぎりぎりと首を絞められていくかのような恐怖と、人間模様は必見です。
ぜひご一読ください。 - ★★★ Excellent!!!危険な男が愛に目覚める時
リアルな生活・人間の描写に裏打ちされたホラーを書かれる作家さんですが、今回も生々しい恐怖でした。実際にありそう、という意味に加えて、欲望がギラつく、という意味での生々しさでもあります。
まず、主人公である皐介からして怖い。高額商品を扱うマンションディベロッパーである彼は、冒頭から地域の性格、客の性格や懐具合を鋭く観察して「在庫」をさばいていく辣腕ぶりを見せつけます。客に見せる誠実ささえ計算のうち、という冷徹さ、社内での立ち回りや女性関係からも漂う裏表に空恐ろしさを感じ──危険な男に目が惹き付けられたところで、皐介に運命の出会いが訪れます。
「あなたの娘」を名乗る(?)幼女、きよちゃ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!めちゃモテハイパーチートな俺。突然「あなたの娘です」と美少女がきた件。
レビュー表題は嘘ではない。
まったくもって嘘ではない。
しかしとんでもないものを書いて出して下さったものである。
自分は筆者の作品に全幅の信頼をおいているので、まあちょっと一緒にハマってくださいませんかね。
一言でいえば徹頭徹尾ヒトデナシが文字通りのヒトデナシとなり、ヒトデナシを実行してゆくという物語。怪奇部分も相当なホラーであるが、人間怖いという意味でも相当である。
映像喚起力の極めて高い、エンタメホラー、と言えば通じるだろうか。
ネタバレせずしてこの魅力を伝えるにはどうしたものかと小一時間頭を抱えておりますが、とにかく出てくる人間が全員やばい。
よき女性たちよ、逃げて下さい。
と、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一癖も二癖もある主人公(しかもイケメン)が魅力的
ホラーですからね。やっぱり人が死んじゃったり、怖いめに遭ったりもする訳ですよ。
でも、それよりも何よりも、有能で倫理を欠いた主人公(しかもイケメン)が次に何をしでかすのか……そのあたりに恐怖を感じたのは、きっと俺だけではないはず。
女性に対しても奔放な主人公(だってイケメン)も、突如として押し付けられた娘には無条件の愛を注いでいるのだから、やはりバランスの悪さに恐怖を感じてしまいます。
娘を護るために手段を選ばない主人公(やっぱりイケメン)の危うさこそが、この作品の魅力じゃないかと思うんですよ。相対的に他の登場人物が、まるで仏のように見え……あ、いや、けっこうな曲者ぞろいだな。(でも、主…続きを読む - ★★★ Excellent!!!願ってはならないモノに縋りつく。邪悪なものは欲望が生む。
マンションディベロッパーの優秀な営業の皐介。彼のもとに「あなたの娘です」との手紙を携えた幼女きよが現れた。人の死を予言するような言葉を残すきよだが、本当に自分の子かもわからないまま、皐介は父親としての愛情を傾け始める。
一方で身の回りでは謎の人死にが続き、きよに取り憑いている何かを感じて調べ始めるが……。
第1話から早々に皐介の営業手腕が垣間見えるのですが、まず仕事のできる男の怖さを堪能することができます。「怖さってそこ?」って思われるかもしれませんが、あの口の上手さはある意味ホラー。私の人生でもこういう人に落とされたことがあるのではなかろうか……なんてちょっとビクリとしてしまいまし…続きを読む