どこそこへ行き迂闊な真似をしたから祟られた。ではどこそこの名だたる神社に参って難を逃れた。それで終わり。本当に?一度「終わってしまった」ものが綺麗さっぱりと「元通り」と誰が保証したのだろう?一度傷が付けば新品と呼べないように、元通りにはならない物語は一体どんな道筋を行くのか。決して綺麗なものではないと保証された物語、人間も不条理も一緒くたになっておしまいへと突き進んでいく。終わりの先には何が待ち受けているのか。
悪意なき善意による矯正が、最もこわい
ホラーの終わり方にはハッピーエンドは少ない。バッドエンドがあり、死んで終わるならまだましで、その先も呪われたまま日常が進んでいくケースもある。日常には仕事があり、学校があり、関わる人間がいる。巻き込まれる側はたまったものではない。序盤からすでに、人間の怖さも、不条理の描き方も怖い。優れたホラーに感じる。終わった先の恐怖を一緒に味わってみてほしい。