概要
完璧なAI管理社会。人々は自由と引き換えに、退屈な安寧を手に入れていた。
13歳の少年ユウキが工事現場で拾ったのは、土砂に埋もれた古びたランプ。
中から現れた魔人ハキームは、1000年の眠りから覚め、堂々と宣言する。
「三つの願いを叶えてやろう。金か、力か、権力か?」
だが、未来の少年は困惑して答えた。
「……いや、どれも科学で解決済みなんだけど」
魔法の絨毯はドローンに負け、魔法の力はパワードスーツに代替された。
存在意義を失い、AI監視網に追い詰められる「時代遅れ」の魔人。
そんな彼に、ユウキが託した一つ目の願いとは――。
「ハキームさん、この都市のAIから僕らを隠して!」
科学と魔法が交差する、短くも濃密な「再会」の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!魔法と科学、魔人と少年の相対に生まれ、育まれたのは、〝絆〟。
強力な魔法を納めた魔人ハキームが科学万能の時代に蘇り、現代っ子・ユウキの願いを叶えんと勇むものの、「科学のチカラで何でもできる現代」にのっけから凹まされてしまう――TVアニメ『ハクション大魔王2020』でも描かれた構図ながら、
ハキームは科学の仕組みを自身の魔法の知識で再解釈、科学の世界にて再現してしまえる柔軟な思考のできるポテンシャルの持ち主で、1000年前には恐れられ封印されたという実力者っぷりが窺えます。
そんな彼も、自らの恐るべきレベルの魔術をもってしても癒されない“孤独”に苛まれていました。
奇しくもそれは、偶然にハキームをランプから解き放ったユウキも“便利だけど窮屈な社会”の中…続きを読む - ★★★ Excellent!!!先端科学と魔法が交差する現代の童話
近未来、AI管理社会を生きる少年ユウキは、ふとしたことから魔法のランプを手にいれる。すると魔人ハキームが現れ、三つの願いを叶えてやろうと言うが……
ユウキとハキームのユーモラスな会話が、二人の個性が引き立てていて、自然と物語の中へ入り込めました。
自分が魔法で叶えてきたことが、ことごとく「日常」になってしまったと、しょんぼりするハキームを見ていると、科学の発展のありがたさを感じる一方、過度な管理社会の恐ろしさを感じる描写もあって、バランスの取り方がいいなと感じました。
毎話の最後についてる次回予告も、作者様のセンスが光っていて好きです。 - ★★★ Excellent!!!何でも叶う未来で、それでも欲しかったもの
「三つの願いを叶えてやろう」
そんな魔人の言葉に胸を躍らせる物語――かと思えば、この作品では事情がまったく違います。
1000年の眠りから目覚めた魔人ハキームを待っていたのは、科学技術が発達し、かつて人々が魔法へ願ったことの多くが“日常”になってしまった未来。
大金も、強大な力も、空を飛ぶことさえも。
得意げに差し出したものを次々と「もうあるよ」と返されていくハキームには思わず笑ってしまいます。
けれど、その姿にはやがて、1000年という時間に取り残され、自分の存在意義まで見失いかける寂しさが滲んでくる。
そして、この物語が面白いのは、そこで魔法を「時代遅れ」のまま終わらせな…続きを読む