この作品の魅力はたくさんありますが3つ挙げます。
まずは酒とタバコと女遊びが好きなヒモ所望のクズ主人公です。
趣味嗜好だけ見るとクズでしかありませんが、このクズは礼儀と道理を弁えているタイプなので生き方や他者との接し方に対して違和感や嫌悪もわきません。自他共に認める自己中心的なクズですが、同情もしますし、特に気になった人にはお節介も焼くツンデレな面もありギャップに萌えるところもあります。しかし、誰彼構わず助けない現実的なクズという一貫性もあり、その自己矛盾に気が付きつつも一応人間だもので済まし、ヒモクズに戻るのは本当に読んでて共感が出来ます。
2つ目は異世界で生きる登場人物たち。主人公がツンデレ有能クズなので数多の有能な登場人物と接点をもちますが、地位に見合った能力や信念はもちろん、各々の思想があり利益を求め、NPCのような消耗品とは感じさせず、誰も彼も非常に魅力的です。
3つ目は舞台である異世界。若干のネタバレになりますが、あらゆる国々を巻き込んだ壮大な実験が行われている真っ最中、魔物による災害・国民族を問わない戦争・魔術的な人災が頻繁に起きているという、かなりカオスな状態になっています。こんな状態の世界を主人公が漫遊していくので好奇心がそそられますし、国々の関係や組織内での勢力図、章ごとの事件やその顛末はどれも飽きさせません。
真世界の情報により歪な実験と発展をしている異世界、願いにより生まれた人形ホワイト
みなさんもこの素晴らしい異世界紀行を読み、いっしょに「愛」をみてみませんか?
クズと設定しながらも、結局はなんだかんだ言い訳をしながらも、善人ムーブかまして密かに感謝されるみたいな事になりがちな作品が多いが、こちらのクズはひと味違う。
クズい言動もさらりとこなしていて、いっそ爽やかさすら感じる。
とは言え、人間なら感情も有れば柵もある。
そんな葛藤や揺れ動きが、ただただクズ一辺倒で振る舞うだけでは出ない人間味が物語を深めている。
作者の文章力も高く、言葉選びのセンスも抜群。
キャラのパーソナリティーも書き分けがしっかりと出来ていて、大半の作品で感じる寂しい1人芝居を見ている様な印象が無い。
評価の少なさに惑わさらずに、是非読んでみて頂きたい。
昨今ありふれたナーロッパという言葉で表される量販店の様なありふれた作品ではなく、しっかりとした独自の世界が構築された素晴らしい名作。
一見するとまるでクズな男。一見すると超絶美麗な少女。
二人がどうにかこうにか謎の異世界で生きていく話なのですが、紆余曲折あって上手くいかなくて各地を彷徨う。その苦労する内容も全てが嚙み合って素晴らしいハーモニーを奏でています。
誠実で真っ直ぐな人間は生きてくのが厳しい。それでも愛するものが傍にいれば生きていける。おかしな形にみえるかもしれませんが、この物語は愛がテーマなのかもしれません。
昨今のヤンデレ業界にはどうしてもヤンデレを一つの型のようにして語る風潮がある。
やれ包丁がどうだ、好き好きと連呼するのがどうだ、監禁がどうだ、心中がどうだ・・・そういった記号化されたヤンデレをほらこれが好きなんだろうとお出しされてもまるで中身が伴わない、食品サンプルのような見せかけの興奮しか得られないのだ。
ヤンデレの根本にあるのは対象への大きな愛情。この人にどこまでも尽くしたい、この人のためになんでもしてあげたいという愛情なのである。
この作品のヒロインである主人公を愛する人形のヒロインは必要以上に好き好きと連呼しない、監禁もしない、心中だってしない。しかし、作中の端々から主人公を愛する行動、思想が垣間見える、その端っこから見える美しさこそが僕たちが待ち望んでいたヤンデレなのだ、僕たちが愛する純粋な美しい愛なのだ。
さぁ、ヤンデレスキーたちよ。ここに集い、歌い、笑い、ともにこの傑作を楽しもうじゃあないか。
クール人形ヤンデレヒロインに栄光あれ!!クズ野郎異世界紀行に栄光あれ!!
まずチーレム無双では無いのがいい、呆れる事も無く
それでいて納得あるリアリティで読み続けられる
漫画アニメになっていないのが不思議なレベルの完成度
自分は色々と読んできてこれが漫画家すれば間違いないという予想は外したことが無い
この作品は異世界おじさんやフリーレンほどでは無いが
魔法少女に憧れて、見える子ちゃんレベルの完成度
執筆前によく考えて、練っているんだなと思う
ただ坊ちゃんや甘ちゃんにはグロや非情さがウケ無い部分もあるだろう
いつ漫画になってもおかしくないので漫画家選びは他人任せにするのではなく
原作者も絵や人物像などの確認をして欲しい
そして今のうちに書き溜めておいてくれ