第112話 菩薩

「大日如来の周りに柱が16本ありますよね?


その柱には、菩薩が描かれていますが、これは何か意味があるんですか?」


朝信が京成に聞いた。


「これはですね、限りなく仏に近い修行者なんです」


「限りなく近い?」


「はい。


5人の仏を手助けする役割を担っているんです」


「お助け役なんですね」


「そうなんです。


ちなみに、この仏様の配置にも意味があるんですよ」


「配置ですか」


「はい。


真言密教で、仏様の世界を示す曼荼羅(まんだら)という図の通りに配置されているんです」


「あ!」


好花が声をあげた。


「たしか、ブラタモリでやってたな。それ。


タモリさんが話してたな」


「なんだそれ」



「あー、ごめんごめん。


未来の世界の話」



「京成さん、たしか、曼荼羅って、たくさんの仏様が書いてある図ですよね?」


「好花さん、よく知っていますねぇ。


そうですよ。


このことから、根本大塔の仏は、『立体曼荼羅』と呼ばれ、は


この根本大塔そのものが曼荼羅世界。


つまり、


仏様の世界であるということを表しています」

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