第38話 上杉憲政の再来

9月。



春日山城にて。



「景虎様ー!!!」


鬼小島弥太郎がでかい声を出して走ってきた。


「何事だ」



「上杉憲政様がまた来たよ!!」



「え!?? なんだって!?」


景虎も好花もびっくりしている。



「なんかねー、また平井城を北条さんに奪われちゃったんだって」



「まじかよ! またかよ! それはやべぇな」



「何でまた越後に来るんだよー。



あの人、全部人任せだから嫌い」


好花は、眉間にシワを寄せ、口をとんがらせている。



「ほんとそれなー。



人任せすぎるんだよなー。



好花ちゃんの言う通り!   



俺もそう思う」



鬼小島弥太郎も好花に賛同する。




「上杉様だから、こればかりはしょうがない。



風呂とご飯用意してやれ」



「かしこまりました」



宇佐美は、急ぎ早で、お世話係たちに伝えに走っていった。


ったくー!


憲政さんはー!

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