第76話 御剣と天杯

 景虎一行は、京にて、後奈良(ごなら)天皇に謁見した。



近衛晴嗣がいてくれたおかげで、謁見はスムーズに行った。



前年に、


天皇から景虎へ文書が届いていたのを覚えているだろうか。


まず、天皇から、従五位下(じゅごいのげ)の位を授けられたよね!?



あと、弾正少弼(だんじょうしょうひつ)にも任せらせたよね!?




そのお礼を景虎は天皇に献上したのだった。







「いやー、さすが景虎様。


天皇も、たいそう喜んでおられましたな」


実乃が言うと好花も続けて話す。


「ほんとだよね。


ここまで長い道のりだったけど、喜んでくれたし、なんかいろいろくれたから良かったね」



「ほんとそれだよな。


天皇から御剣(みつるぎ)と天杯(てんぱい)を賜るなんて!


すごすぎ!


かっこよすぎ!」


鬼小島弥太郎は、その2つを大事そうに抱えている。


「ちなみにね、未来では、


この御剣は『瓜実の御剣(うりざねのぎょけん)』と称されて、伝えられているんだよ」


「さすが歴史オタクの好花。


遠い未来でもこの御剣が語り継がれているのか。


びっくりだな」


景虎は、ニヤニヤしている。



「だから、弥太郎!


しっかりこの2つを守り越後まで持っていくのだぞ!」


「かしこまりましたっ!」






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