第183話 大雪

「景虎、なんかさ、どんどん雪降ってきてない?」


葛山城からの急報が入った日は、朝から雪が降り続いていた。


しんしんと積もる雪。


その雪は、ふわふわしていて、触れるとすぐに溶けるのに、降り積もった雪に積み重なっていくと、それは溶ける気配が全くなくなる。


「まずいな、春日山城から見渡す限り、ここら一体が雪まみれだ。


歩くことも厳しいなこれは。


くそ、信玄のやつ、大雪で出陣できない時を見計らったな」


「さすが信玄。って、褒めてる場合じゃないね。


なんとかして、援軍出さないの?」


「んー。


この大雪じゃ、馬は絶対に歩けない。


除雪しても、すぐに雪が降り積もって道が埋まってしまうし。


善光寺まで行くとなると、山越えもしなきゃならん。


山は、ここよりも雪深いだろう」


「助けに行けないじゃん!


どうすんの」


好花の目には、涙が浮かんでいる。




筆者の戯言


今日においても、上越は雪が凄いですからねぇ。


ちなみに、新潟県板倉区大字久々野の柄山(からやま)集落というところがあるんですが、ここには人が暮らす人里としては世界一の8m18cmという、とてつもない積雪の世界記録があるんですよね。


びっくりすぎます。


気象台、測候所がある所の記録では、上越市高田で1945年(昭和20年)2月16日に記録した3m77cmが最高。


歴史をさかのぼると、1665年(寛文5年)の12月27日には1丈4尺(約4m2cm)の大雪があり、そこに大地震が起き死者千数百人を出した。


1681年(天和元年)には、大雪で、町が埋まってしまうほどに。


「この下に高田あり」の高札が建てられたという。


怖すぎる。


そして、


久々野(柄山)集落で、1927年(昭和2年)2月13日に記録したのは、、、


なんと、


27尺(8m18cm)。


信じられない!!!


凄すぎる積雪記録ですよね。


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