第89話 格子

 景虎と好花が市場を歩いていると、ところどころに格子の戸が見える。


木の板が編み目のようになっていて、店の中のものが外からで見える。


絹布が綺麗に並べてあるのが外から見えた。



「この格子の戸、いいね!


外からでも商品が見えるから、店内に入りやすい」


「たしかにな。


店内が見えないとなかなか入りづらいもんな。


呉服屋にこういう格子が多いな」



たしか、京都に行った時、糸屋格子っていう技法を使っていた戸があったな。


町屋に多かった気がする。


と好花は思った。



「しかもさ、格子のおかげで、光が格子の隙間から入ってくるから品物がより美しく見えるね」


「ほんとだな」




「ね! 見て!


くじゃく!」


通りには、籠に入っている孔雀がいた。



「おぉ!


俺、初めてみたわ。


青い鳥なんだな」



「見れて良かったね!


あの羽の部分あるじゃん?


あれね、開くんだよ。


ぱあっと!


そしたらね、水玉模様が一面に広がってるんだよ!」



と言って、好花は腕を大きく広げた。



「え! そんなに大きくなるん!?


見てみたいわー」



景虎の目が少年のようにキラキラしていた。





筆者の戯言


歴史どうでもいいって方は、すっ飛ばしてくださいね!!






『南蛮屏風足利時代堺港之図』の元に、堺の街並みを書いてみました。




 原本は大正12年(1923)の関東大震災で焼失してしまいましたが、


その写真を堺市が所蔵していたというのです!


ちなみに白黒写真です。



カラーだったら、尚、よかったんですが、白黒だけでもありがたいですよね!


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