第80話 わしは、おまえらとは違う?!
ある同窓会でのおはなし。
わしは、おまえらとは違うぞ。
そういうくらいなら、相当偉くなったのか。
なったで。なるにはなんとか。
それは結構だな。出世でもして大金稼げたか?
それは無理。だ~んぜん、無理。
じゃあ、なんか名誉でも手に入ったのか?
勲章も何もねえよ、そんなの。
まさか、君・・・?
そう、そのまさか。まず第一に、肉体がエライわ。
エライって、しんどいってことか、どうせ。
それもある。だけど、そこはまだ、ええとしてくれ。
まだ何かあるのか? まさか難病とか言うなよ。
難病はないよ。そのレベルなら、健康のうちかも。
それならまだ大丈夫だな。他には何か?
頭はもう手遅れ。趣味はもう、とっくに手遅れ。
うん。そこはもう、君とは一緒になんかされたくもないわ。
ほっとけ。でもそれもまあ、ええわ、そこも。それよりもなぁ・・・
それよりも、何じゃらホイ?
精神や。もう、気持ちが切れそうでかなわんわ。
怒る系のキレるのほうか?
そっちならまだええわ。気持ちの方や。
おいおい! 何でまたそんな弱気になっておるのか?
いやあ、もう、精神がエラすぎるわ。
なんか不屈の精神でも獲得できそうな話か?
それならええけど、そんな夢のような話もないで。ひたすらしんどいだけ。
それならわかった。とりあえず、酒、飲みすぎるなよ。
ちょっとくらいは、気をつけてはいるつもり。
あと、食いすぎはもっと注意。無茶食いはやめときな。
それは痛感しておる次第。しかし、そんな対策しかないノン?
そんな対策いうけど、まずはそこからじゃね? 何より無理はせんこった。
何かがくッと来るけど、それが一番じゃのう。
その積み重ねやがな。
そうか、変なものが積み重なって、おまえらと違う方向とやらに行っただけか。
そやでぇ。君、気付いただけでもまだ救いよ。
こんなところで、めでたくもあり、めでたくもなし。
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