第21話 目的達成後の解放感 2

大学に合格した時の達成感も半端なかったが、

もう一度、同じような解放感を味わった。

それは、2010年。

達成前から、徐々に、その期待が高まっていった。


立退きに遭って、それで、何とか立退料をせしめた。

約5箇月、実質的な職業は「建物居住業」!

それを元手に、私は岡山を脱出した。


それから約1年近く、その解放感は持続した。

もう、自由に動き回れるというあの解放感。

あれは、素晴らしかった。

ただ、そうしているうちに、だんだんとそれも薄れてきた。

やっぱり、飽きるものだな、と。


それから約5年後。

私は諸般の事情で岡山に戻った。


とは言え、あの5年間がなければ、

今の私はないだろう。

あれで、岡山のクズのしがらみをすべて排除できた。

その代わり、残るべきものは残っている。


これでようやく、50歳を目の前にして、

真の自由を獲得した状況に至れた。

今の私?

あの前半生の慰謝料のようなものをもらっている時期かな。

お金はともかく、いろいろな意味での、ね。


だからこうして、創作に励めるようになったのよ。

40歳までの塗炭の苦しみも、そのための取材と思えば、

まあ、無駄でもなかったってことだろうね。

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