第242話 必要ないものは排除あるのみ

必要ないものは、排除あるのみ。


彼はそんな言葉を正面切って言ったりはしなかった。

しかし、彼はその通りのことを実践し続けた。

自由の森を排除しない限り、彼の自由は担保できないから。


丘の上を新たな新天地とみて、対手はそこを生きて行く場とした。

だが、肝心なことに気づいていなかった。

誰もが、その地に居続けることなどできないということを。


その男は女房をもらい、子どもも設けた。

そんな生活を、こんな自然豊かな郊外の地で送れる幸せ。

それはしかし、あの彼には通用しなかった。


彼はやがて大学に合格し、かつて自由の森のあった近所へと去った。

おまえらのホザく社会とやらに、もう、用はない。

その後対手は、彼を自分の社会にいる人と見ること能わなくなった。


必要ないものが、ただただ、排除されただけであった。

嗚呼、無情。

ってか?

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