第4話 いざ、レンタルショップへ!

とにかくも住宅地に戻ってきた青年は、

何とかCDプレイヤーを手に入れた。

そして、近くのレンタルショップに向った。

目標は、昭和50年代の歌手やグループのCD。

それをカセットテープにダビングして聞こうという魂胆。


ときは、1988年。

キャンディーズが解散して、ちょうど10年目。

彼はもちろん、キャンディーズのベストCDを借りた。


彼が自由の森にとらわれた頃、

キャンディーズは人気絶頂へと向かっていた。

そして、彼が小学3年生になった春のこの日、

1978年4月4日。

彼女たちは、後楽園球場で解散コンサートを挙行した。

その頃彼はもちろん、自分のカセットも何も持っていなかった。


時が過ぎ、自由の森の呪縛を断ち切った彼はここで、

キャンディーズのデビュー曲を覚えた。

まだ、自由の森にとらわれていなかった、1973年の曲。


あなたに夢中


彼は15年間の何かを取り返すかのように、

キャンディーズの曲をダビングし、カセットテープで聴いた。

そしていつの日か、酒を飲んでカラオケで歌うようになっていた。


自由への道しるべは、レンタルレコード店にあり!

ってか?

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