真っ白な冬の物語はどこへ ~自由の森の昭和の12月を思う

第245話 嗚呼、December Morning!

ここは瀬戸内。温暖少雨の地。

12月になったとはいえ、雪はめったにちらつかない。

あの歌のようには、いかない。

目覚めたところで、銀世界など夢のまた夢。


あの頃はまだ、水道管が凍ることもあった。

だけど今どき、それすら滅多に起こらない。

そんな地に、シュプールなどあるわけもない。

だけど、そんな地にも訪れた、師走の朝。


嗚呼、December Morning!


あの歌のような地ではないかもしれないけど、

あの歌で歌われるような若い男女の交わりは、

この街のどこかで、

あの頃も、今年も、同じように、営まれている。

そう、あの頃の若者も、今や60代。

この年になってなお、

あの頃と同じように付合っている人も、

探せば、いるかもしれない。

子どもはすでに巣立ち、すでに孫がいる人も。


師走の朝は、雪国の街にも、温暖な街にも、

かつて自由の森があった住宅地にも、

そして、あの自由の森のある丘の上にも、

平等に、今日、訪れてくれました。


嗚呼、December Morning!

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