第256話 そら、あたりまえやろ。
朝も満足に食べられぬ欠食児童が、孤児院に入れられた。
そこでは、米の飯がたくさん食える。
後は沢庵とみそ汁程度だが、腹いっぱい食えば食える。
かくして、彼の体調は良くなった。
そら、あたりまえやろ。
あんた、ゼロも同然がイチになったわけやろ。
0から1へ!
なしとありでは大違い。
そら、よくなるにきまっとるがな。
衣食足りて礼節を知る とは、よく言ったものよ。
しっかり食えるようになれば、無茶食いもなくなる。
周囲を見て動くゆとりもできてくる。
良くなるのは、栄養状態だけではない。
かくして彼は、人間らしい生活ができるようになる。
そら、あたりまえやろ。
ただ食って寝るだけなら、けだものでもさらしよるわ。
あんた、いくら貧困にあえいでいたといっても、人間やぞ。
人間様やぞ、仮にも。
タダクエリャエエッテモンジャネエ!
そんなん、あたりまえやろが。
ってこと!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます