第212話 全否定された新たな地

あの青年は、その地を全否定した。

居住する場所として。

その原因は、彼らの新事業に原因があった。

残念だが、それが現実だった。


弾除けの役も満足にできぬ保母。

それは、かの青年からの弾もあれば、上司である園長からの弾もある。

両者の弾の撃合いの中でわけもわからずハチの巣になるしかない役どころ。

そんな弾除けをあてがっていたのは、こんな人物。

非行児童対応は長けていたかもしれないが、

かの青年の力をつける能力は微妙すぎた児童指導員。

前園長やベテラン保母程度の勤め人感覚で、

妻子を養うために天から降る給与を待つ児童指導員。

こいつらを倒さないと、かの青年は人生を歩めなかったのだ。


味方面した敵ほど、厄介なものはない。

彼は、高校時代と言われる3年間、そのことを学んだ。

残念ながら、自らの力で。おかげで、しっかりとそれが身についてしまった。

よくも、悪くも。ってか、もう少しこの状況を総括してみようかいな。


あの夢のような新天地を、彼が全否定し切ったそのわけを。

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