第104話 また来ました、夏休み。

もうすぐ夏休みの時期がやって参りました。

暴飲暴食は控えましょう。

マジ、体壊しますからね。


子どもの頃は楽しみだったはずの夏休み。

だけど、丘の上に移ってすぐのあの年だけは、別。

学区内に行くようなところもないし、交通手段もない。

丘の上という名の山中に幽閉されたような気分よ。

楽しい日々でしたなどと、誰が書くかよ。


あの夏のストレスは、確実に、

その年の冬のしもやけにダイレクトに響いたね。

ストレス、半端なかったなぁ。


張り切っているのは、酒も飲まずに、

理想に泥酔し切っていたあの職員だけや。

今思っても、いかがなものでしたわ。


もっとも、そこまでひどい夏はあの年だけでした。

あのジイサンもあと1年、あのバアサンもあと3年。

先のことがわかっていれば、もっと楽だったろう。

だが、子どもの1年は、長いからね。


やれやれ。

しつこいけど、もう一回!

おまえらの求める子どもらしさに、未来なんかなかった!

それは、わしが立証してやっておるからな。

線香代わりの冥途土産や。

よく覚えておけ!

・・・、

ってか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る