第185話 ダイヤ改正の当日、そして翌日

10月は、国鉄のダイヤ改正の月。

1978年だけは、2日。たいていは、1日。

その日を境に、鉄道がガラッと変わる。

世の中が、それまでとそれからでガラッと、ね。


だけど、自由の森は、特に変化なし。

基本は、年度末。

例外的に、ずれた時期に動かすことはあります。

とにかく、この時期は淡々と過ぎていく日々。

ダイヤ改正の前日も当日も翌日も、特に変化なし。

その曜日に応じた事象が淡々と繰り広げられます。


だけど、だけど~、・・・。

半年もすれば、どの部屋にもどの寮にも、

どんな体制であれ、場所がどこであれ、

すきま風が吹き始めます。

電車みたいに何十年も走ったわけでもないのに、

この地の体制には、すきま風が吹き始めるのです。


弥縫策(びほうさく)をかれこれ弄する間もなく、

ま、そんな小手先なんかでどうなるわけでもなく、

きのうもきょうもあしたもあさっても、

自由の森の中のあちこちで、すきま風が吹いています。


居心地が悪いわけではないが、いつまでもいてはいけない場所。

後に作家となった元入所児童の同級生の映画監督の言葉が、これ。

まさにそういうことではないか。

こんなところ、しょせんはかりそめの宿。

そう。すべてはそこから始まるのです。

ってこと。


だけど、国鉄の白紙ダイヤ改正のように、

何もかもが一気に変わることはそうそうあるべくもないよ。

ってか。

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