第221話 ヒルネ
最近、ときに昼寝をする。
仕事疲れで目が疲れ、いささか眠気もし始める頃。
とにかく、パソコンを離れて横になる。
仮眠は15分程がよいという。
だけど、時間は特に考慮しない。
あまりグースカピースでもさすがに困る。
とはいえ、1時間程度は横になるのよ。
部屋の明かりはつけたまま、パソコンも繋げたまま。
後ろの布団に横になる。
目を閉じる。
眠り切れなくても、いい。
横になるだけで、疲れが少しずつ取れていく。
パソコンの奴隷から解放され、自由人に戻れた気分。
秋の冷たい空気が、自然冷房。嗚呼、涼しい。快適。
ベランダの窓は、網戸のままである。
無論、エアコンはもうつけていない。
まだ、暖房は不要である。
やがて、浅い眠りに落ちる。
何も考えず横になれる。
そんな、つかの間の幸せを味わう。
それからしばらくして、目が覚める。
目を開けてみる。
寓居からは、荒野に向かう道など見えぬ。
見慣れた白い天井の、他に見えるものはなし。
しばし、目を再びつむったり、開けたり。
目を閉じれば、そりゃ、何も見えないや。
もっとも、寝落ちしたら夢でも見られるかもしれないが、
それはまた、別の話。
そろそろ、体が動くことを欲し始めた。
では、起きよう。
30年近く現役の目覚まし時計を見る。
どうやら1時間近く横になっていたようである。
ゴソゴソと起き出し、再びパソコンに向かう。
目の疲れは、取れている。
頭も、シャキッとしている。
さあ、あと1時間半ほど、ここでもうひと仕事しよう。
後は、外に出て何喧嘩仕事をこなして、
今晩はまた、酒を飲もう。
今日の昼はあえて食べずに仕事している。
そうだな、夜は野菜補給のもつ鍋!
うん。これで行こう!
押し付けではなく、自らの意思で行うヒルネ。
そんな自由は、自由の森にはなかったな。
自由のありがたさと尊さを、昼寝を通して再度味わえた、
ある秋の日の昼下がり。
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