第210話 最高時速

新幹線は、世界で一番早い列車。

1980年代初めまでは、確かにそうだった。

その後かれこれありますが、それは置いておきましょう。

中学英語の教科書にも、紹介されていたぜ。

比較級を学ぶには、頃良い内容だった。


その頃の最速列車は、時速210キロ。

本当はもっと出せなくはなかった。

だけど、鉄道はスピードコンテストのためにあるわけではない。

鉄道マニアの中には、そういう発想の者もいないではないけど、

これは厳然たる事実である。


その最速の電車を岡山駅前のある建物から、良く眺めた。

その建物は、新幹線をはじめあの近辺の鉄道を管理する事務所。

名付けて、そして人呼んで、岡山鉄道管理局。


自ら学びたいと思ったことは、しつこいくらい学んだ場所。

そうして身についたものは、今も、私の財産となって、

その財産に更なる厚みをつけてくれている。


時速210キロは、あくまでも仮の姿。

夢の超特急は、時速250キロと歌われていた。

だけど、今はもう、普通に300キロは出されている。

飛行機は、その速度におびえながら飛んでいる。

実質到達時間が逆転することままあり。


国鉄が去るその頃には、新幹線の速度が上がった。

東京-大阪間は2時間台になって久しい。

滑るようにも何も、さっさと走り去ってしまう。

それも、はるかに静かに。

それが、当たり前の時代。


新幹線0系は、永遠也。

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