第135話 里親宅の精進料理

短期里親で泊まりに行っていた家の隣は、その家の母親の両親の家。

しかもそこのおじいさん、お寺の住職。

そんなわけで、精進料理を食べる習慣がありました。


だけど、こちらの家のまして私まではその対象じゃなかった。

だから、ハンバーグなんかも普通に頂いていました。

豆腐ハンバーグじゃないよ。念のため。


だけど、だけど!

そういうものを食べているというのは、はたから見たら新鮮なのよ。

でもって、小学生のある時、自分も精進料理を食べたいと申し出ました。


晴れて、食べさせていただくことに。

確かに、肉料理や魚料理よりいささか彩が少ない気も、した。

だけど、思ったほど貧相な感じでもない。

肉や魚が使われていないこと以外は、普通の「ごはん」でした。


そして、それから約40年近く後。

母校となった岡山大学の生協の食堂で、ハラルのカレーを食べてみた。

なんだ、これも普通にカレーではないか。


ふと、あの家の精進料理を思い出した次第。


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