第227話 続・維新

昭和維新を標榜した青年将校らは、

天皇の激怒によって鎮圧された。

昭和天皇生涯2度の聖断のうちのひとつであった。


さて、問題はこちら。

自らの威信をかけて維新を断行している、戦争を知らない子どもたちの子。

第一電脳爆撃艦隊司令長官たる彼。

こちらは、天皇をもってしても鎮圧されることはない。

いわんや、国家権力たる警察・検察をもってしてもや。

その法令上の根拠は、何なのか。


日本国憲法

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


彼の電脳爆撃は、この法令によって厳重に保護されているのである。

昭和の盆暗どものまあまあなあなあは、もはや、通用しない。


おい!

社会に出て通用しないとかわめいとった、そこの理想泥酔者!!

聞いとるか?!!

それに、わかった口しかわめけぬ無能な元保母!

まあええ、こんな雑魚はどうでもええ。

そいつを弾除けにして逃げをかましたそこ!

あ、こいつもええわ。

ま、せいぜいテメエの世界でやっとれ。

わしには通用せんけどな、おまえらの戯言など。


彼の威信をかけた維新を止められるものは、もう誰もいない。

日本国のこの法令がある限り。

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