第121話 退屈させまいと・・・

子どもたちを退屈させてはいけない。

特に、夏休みは、ね。

学校が面倒見てくれない以上、仕事しなきゃ。


というわけで、この時期は朝から晩まで、仕事。


とは言え何も、難しいほどのことは、ない。

特に年長の子らは、なおのこと。

そりゃ、進路がどうこうという難しい話はともかく、

普段の生活なんて、とにかく、相手と接して、見ているだけ。

とにかく、今どのあたりにいるかだけは、把握しておかないと。


何、見ているだけでいいのなら、ボロい仕事だって?

何もなければ、そうです。

この自由の森に限らず、そういう仕事はたくさんあるよ。

でも、何かあったときには、対応しなけりゃね。


見守るだけだと言われてもね、実はそれ、一番難しいことかも。

何かやっているという気が、沸いてこないもん、なぁ。

労働をしているって実感には、程遠い仕事かもしれない。

そりゃそうだ、生活そのものが、仕事なのだから。

ってこと、らしい。


それだけじゃ足らないから、何か仕掛けて、やっていこう。

何か、やっている実感が欲しいなぁ。

若い職員の感覚って、存外、そんなものだったようだね。

あの頃の、自由の森は。


だけど、それを押し付けられる子らの中には、

迷惑がる子もいたってこと。

それは、忘れてほしくないものです。

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